冬季うつに要注意!心を元気にする3つの習慣

「毎年冬になると、気分が重くなる…」

「冬は食欲と眠気が止まらない」

これらのお悩み、実は「冬季うつ」が原因かもしれません。

冬は日照時間の短さの影響で、心の調子を崩しやすい季節。

冬季うつは、誰でもなる可能性がある病気です。

この記事では、冬季うつへの理解を深めるために、冬季うつの症状と原因を紹介します。

また、心の元気を保つために身につけたい3つの習慣も紹介するので、ぜひご一読ください。

1. 冬季うつ(ウィンター・ブルー)ってどんなもの?

「冬季うつ」とは、秋の終わりから冬にかけて気分の落ち込みや倦怠感、集中力の低下などの抑うつ症状があらわれる病気です。

冬が近づくと症状があらわれ、春には症状が軽くなることから、冬季うつと呼ばれています。

季節の移り変わりで症状が変化したり、季節ごとに繰り返す方がいることから

  • 反復性うつ病
  • 季節型うつ病
  • 季節性感情障害(SAD)

とも呼ばれることもある病気です。

1-1. 一般的なうつ病と冬季うつの違い

一般的なうつ病と冬季うつは、どちらも抑うつ症状があらわれますが、一方で食欲や睡眠などの症状に違いがあります。

一般的なうつ病は、食べたくない(食欲減退)・眠れない(不眠)といった症状があらわれ、それにあわせて体重も減っていきやすい病気です。

一方で冬季うつは、食欲が止まらない(過食)・いくら寝ても眠い(過眠)など、一般的なうつ病とは逆の症状があらわれます。

食事の面では、特に炭水化物や甘いものを欲するようになるため、体重が増えていくことが多いのも特徴。

「食欲はあるし、眠れているから」と思っていても、実は冬季うつになっている可能性もあるんです。

2. 冬季うつの主な原因は「日照時間の短さ」

冬季うつの発症は、秋冬の日照時間の短さが原因だと考えられています。

具体的には、日照時間の短さからくるセロトニン不足が原因です。

セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、心の安定やポジティブな気持ちを起こすために欠かせません。

私たちの体は、網膜が日光を感じ取ることで、セロトニンの分泌が促されます。

しかし冬は日照時間が短いため、セロトニンの分泌量が減ってしまい、その影響で抑うつ状態が起こりやすくなってしまうのです。

また、紫外線を浴びることで生成されるビタミンDは、セロトニンの調整にとって大切な栄養素。

冬は日に当たる機会が少なくなることから、ビタミンDも不足しやすく、その影響もあってセロトニンが不足すると考えられています。

3. 冬季うつに負けない!冬の心を元気に保つ3つの習慣

冬に起こる心の不調は、日照時間の短さによって起こるセロトニン不足が原因です。

そのため、ほかの季節と変わらない生活をしていても、セロトニン不足になりかねないのです。

冬も心を元気に保つためには、普段の生活でセロトニンを補う対策をすることが大切。

ここからは、冬のセロトニン不足を補うために身につけたい、3つの生活習慣を紹介します。

3-1. 意識して日光を浴びる

冬は日の出が遅く日の入りが早いため、屋内で仕事をする方は、極端に日光を浴びる機会が減ってしまいます。

そのため、冬はとにかく「日光を浴びるぞ!」と意識することが大切です。

  • 朝起きたらまずカーテンを開けて日光を浴びる
  • 通勤時に日当たりが良い場所を通ったり選んだりする
  • 昼の休憩時は外へ出て日光を浴びる
  • 席を外すタイミングでさりげなく日当たりが良い場所へ
  • 休みの日は日が高いうちに散歩する

など、可能な範囲で日光を浴びる機会を作ってみてください。

生活リズムや仕事の都合でむずかしい場合は、高照度ライトの光を浴びることでも、日光と近い効果を得られます。

3-2. セロトニンの材料になる食材を摂る

日光によるセロトニンの分泌量が減りやすい冬は、体内でセロトニンの合成を増やすことがひとつの冬季うつ対策になります。

セロトニンの主な材料は、必須アミノ酸のトリプトファン

トリプトファンは肉、魚、大豆、乳製品など、タンパク質が豊富な食材に含まれている成分です。

またセロトニンの合成を促すためには、炭水化物とビタミンB6も必要不可欠。

ビタミンB6は、鶏むね肉や豚ひれ肉など脂質の少ない肉や牛レバー、マグロなどに多く含まれています。

また「バナナ」はトリプトファン、ビタミンB6、炭水化物の3つを含む、セロトニンのお助け食材です。

基本的な栄養バランスを整えつつ、紹介した食材を積極的に取り入れていきましょう。

3-3. 有酸素運動をおこなう

ウォーキングやランニングなどの有酸素運動には、セロトニンの分泌を促すはたらきがあります。

ここでポイントとなるのは、一定の間隔で刻む「リズム」が重要だということ。

リズムを意識することで、セロトニンが活性化するといわれているんです。

リズム運動でセロトニンのはたらきが強まるのは、運動をはじめて5分後からで、20〜30分後に効果がピークを迎えます。

また外に出るのがむずかしいときは、ガムを噛むことでも、同じような効果が期待できますよ。

4. まとめ|太陽とセロトニンで冬も心を元気に

冬季うつとは、冬の短い日照時間が原因で、気分の落ち込みや倦怠感、過食・過眠などの症状が起こる病気です。

具体的な原因は、日照時間の短さからくる「セロトニン不足」。

冬のセロトニン不足は誰にでも起こりうるので、解消するためには、セロトニンが増えやすい生活習慣を心がけることが大切です。

この記事で紹介した内容を参考に、ぜひ冬の心を元気に保つ習慣を取り入れてみてくださいね。

また、もし日常生活に大きな支障が出るくらい症状が深刻な場合は、無理をせず専門医に相談しましょう。

【参考】
冬季うつ病(季節型うつ病)|東京都千代田区神田神保町 こころとからだの元氣プラザ
冬の寒さがメンタルに影響?「冬季うつ」の原因と対策 | 東京横浜TMSクリニック
“ウインター・ブルー(冬季うつ)” 気のせいではなかった!冬に気分が落ち込む理由とは | 医療法人 澄心会 豊橋ハートセンター
「冬期うつ」とは 冬はセロトニン分泌が激減 – ウェザーニュース