
日本の伝統芸能である『歌舞伎』。
江戸時代の始めごろから発展した歌舞伎は、2008年にはユネスコの無形文化遺産に登録され、世界的にも人気です。
そんなワールドワイドな歌舞伎には、脳や心にうれしい効果があることをご存じですか?
この記事では歌舞伎がもたらす脳や心への効果を紹介します。
「ゼロから楽しむ歌舞伎のポイント」もあわせて解説するので、初心者の方も必見です!
目次
1. 脳に良い『歌舞伎』の効果

歌舞伎を構成する大きな要素は、芝居・踊り・音楽の3つ。
特徴的な化粧である『隈取り』や色とりどりの衣装も、歌舞伎に欠かせない大切な要素です。
音楽や効果音、衣装の色彩は、脳に刺激を与えて活性化してくれます。
この効果は映像でも期待できますが、実は劇場に足を運ぶからこそ得られる効果があるんです。
生観劇で心身にうれしい効果
近頃はDVDや動画配信でも楽しめる歌舞伎ですが、劇場で見るからこそ得られる心身への効果がいくつもあるんです。
早稲田大学で行なわれている劇場認知科学の研究によると、多くの観客がいる舞台では「感情の同期」が起こると考えられています。
「感情の同期」とは、演者と観客、または観客同士の感情が伝わり合い、本来の自分の感情より泣いたり笑ったりしやすくなると考えられている現象です。
泣いたり笑ったりすることは、脳や心にとってご褒美のようなもの。
観劇によって感情が揺さぶられると、以下のような心身への効果が期待できるんです。
- 記憶力の向上……脳の前頭葉が活性化
- 免疫力アップ……ナチュラルキラー(NK)細胞の活性化
- リラックス&ストレス解消効果……副交感神経が優位になり、自律神経が整うことによる
さらに音楽の生演奏には、血圧や心拍数の低下、リラックス効果が期待できることも研究で実証済み。[4]
このように、劇場で歌舞伎を見るからこそ得られる効果がいくつもあるんですよ。
2.初心者必見!ゼロから楽しむ歌舞伎のポイント

「歌舞伎を見てみたいけど、知識がなくて不安」という方のために、知識ゼロからでも楽しめる歌舞伎のポイントを紹介します!
2-1. 初めての観劇は「一幕見席」がおすすめ
歌舞伎には昼の部と夜の部があり、各部3〜4演目(幕)で構成されています。
一部あたりの上演時間は3〜4時間ほど。
演目の間には休憩(幕間)がありますが、半日ほど歌舞伎を見続けるのは初心者にとってハードルが高く感じますよね。
そこでおすすめするのが、各部の一演目(一幕)だけ鑑賞できる「一幕見席」。
価格は演目によって異なりますが、いずれもひと席1,000円前後で購入可能です。
- 購入できるのは公演の前日から(※インターネット限定、窓口は当日のみ)
- 席数は約100席
- 席は舞台から離れた4階
など、さまざまな条件付きですが、映画を1本見るような感覚で歌舞伎を体験できますよ。
2-2. イヤホンガイドや筋書で初心者も安心
思い切って観劇するなら、少しでもストーリーを理解しながら歌舞伎を見たいですよね。
そんなときは、劇場で借りられるイヤホンガイドや、販売されている筋書を活用してみましょう。
イヤホンガイドは舞台の進行にあわせて、見どころや衣装などを音声で解説してくれるサービス。
一幕見席の場合、500円(現地現金決済)で利用できます。
筋書は映画でいうパンフレットにあたるもの。
演目の解説やあらすじ、配役やインタビューが掲載されているので、観劇の記念品にもぴったりです。
3. まとめ
日本の伝統芸能『歌舞伎』は、生観劇することで以下のような脳や心にうれしい効果が期待できます。
- 記憶力の向上
- 免疫力アップ
- リラックス&ストレス解消効果
初めて観劇するときは、一演目だけ見られる「一幕見席」と、進行に合わせて音声解説してくれる「イヤホンガイド」の活用がおすすめ。
映画を見に行くような感覚で、気軽に歌舞伎を楽しんでみてくださいね。
【参考】
初めての方へ|歌舞伎美人
演劇×サイエンス 認知科学で「演劇の場」で起きていることを読み解く – 早稲田ウィークリー
情動性の涙のストレス緩和作用に関する研究
“笑い”がもたらす 健康効果
生演奏が生体とこころに及ぼす影響