デジャヴを感じるのはなぜ?脳と記憶

「初めてのはずなのにどこかで見たような気がする」…そんな経験はありませんか?

それを表すのが「デジャヴ」という言葉です。

多くの人が一度は経験しているデジャヴはどうして起こるのでしょうか。今回はデジャヴとは何か、どんな理由で発生すると考えられているのか、いくつかの説を紹介します♪

1.デジャヴの意味

初めて訪れた場所なのに懐かしさを感じたり、見たことがある! と思ったりすることをデジャヴ(Déjà-Vu)と呼びます。

フランス語で「既に見ている」という意味で、日本語では「既視感」と表されます。デジャヴは「私が過去に実際に体験した」という確信的な感覚を持つもの。そのため、夢や物忘れなどとは根本的に違い、ぼんやりとしていません。

2.デジャヴと脳は関係している?

デジャヴについて昔から研究が繰り返されてきましたが、いまだに解明されていないのだとか。ですが、脳研究の分野からいくつかの諸説が発表されています。

デジャヴは人間の機能の誤作動や時間差があることで生じる現象と唱える人もいます。脳の両半球の認識機能に時間差が生じることが原因ではないかという説です。

人の手に利き手があるように、脳にも右脳と左脳で優位な方があり、どちらが優位かは人によって違います。そのため、何かを認識するときに左右で時間差が生じることがあり、その際にデジャヴが発生するとのこと。

また別の説では、情報の転送の遅れではないかと言われています。脳で情報の処理を行うときに非優位半球から優位半球へ情報が転送されるのですが、そのときに一時的に遅れが発生し、デジャヴとなって現れるという説です。

ですが、どちらもまだ裏付ける根拠はありません。

3.静止画と動画を使った記憶実験

人が見て処理をする情報の量がデジャヴを引き起こすのではないかという説もあります。

2010年のデジャヴ体験誘発研究で、のっぺりとした絵よりも奥行きがある絵を見たときの方が、デジャヴが引き起こされやすいのだそう。

日本の広島大学の研究によると、静止画とより情報量が多い動画では、静止画を見たあとに動画を見たグループが最もデジャヴ体験をしたとわかりました。

ちらりと一瞬見ただけという光景や物・人でも、人間は案外覚えているもの。脳が睡眠時に情報を整理するさいに、不要だからと「引き出しに仕舞った」状態なのかもしれませんね。

4.まとめ

初めての経験のはずなのに一度体験したことがあると感じるのがデジャヴ。さまざまな説がありますが、脳と記憶が関係しているのは間違いないでしょう。

現代では人が故意にデジャヴ体験を誘発できるようになりました。そのため遠くない未来にはデジャヴ発生の原因が解明されるかもしれません♪

【参考】あたまナビ