肝臓の病気というと、お酒の飲み過ぎやウイルス性のものをイメージするかもしれません。
ですが、最近では「肝臓の病気は脂肪肝から始まる」と考えられているのだとか。
脂肪肝とは幹細胞に中性脂肪が蓄積された状態のこと。患者数は推定3000万人で、4人に1人がなるといわれています。特に、飲酒によらない「非アルコール性」の脂肪肝が増えています。女性ホルモンの分泌量が変化することで脂肪の付き方が変わり、脂肪肝のリスクが急増するようです。

1.脂肪肝の最大の原因
脂質の多い食事が理由で脂質が蓄えられると思っていませんか?実は「糖質」の過剰摂取が脂肪肝を引き起こす最大の原因なのです。
特に女性は男性よりも身体が小さく、食事量も少ないのに糖質量は男性と同程度か、年代によってはそれ以上に多く摂取しているというデータもあります。
2.放置は危険!早めに対処しよう
アルコールを飲まない人が発症する非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)のなかには、肝硬変や肝臓がんへと進行する非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が潜んでいます。また、脳梗塞や心筋梗塞などの生活習慣病に繋がるリスクも。脂肪肝のうちに食生活や生活習慣を改めて、健康な状態に戻すことが大切です。
3.効率的なオススメの筋トレ
脂肪を効率的に燃やすには「有酸素運動」がオススメです。普段よりも速めのスピードで、1日30分を目標に歩いてみましょう。
さらに、家事の合間やオフィスなどでも行いやすいのが「ドローイン」という筋トレ。最大限おなかをへこませ、浅い呼吸を続けながら15秒ほどキープ。脱力してゆっくり元に戻します。ぜひ休憩時間にチャレンジみてくださいね♪
4.肝臓を元気にする生活週間
良質な睡眠をとる、毎年健康診断を受ける、禁煙する、ストレスを軽減することを意識してみましょう。肝臓はストレスを受けやすいためこまめなチェックが大切です◎
5.食生活を改善しよう!9個のポイント
- 糖質を1割程度減らす
糖質量は極端に減らす必要はありません。まずは間食を軽めに済ませることから始めてみてはいかがでしょうか?1日の食事量から1割程度の糖質オフを目指しましょう。 - 食事は1日3食とる
1日3食バランスよくとりましょう。朝食を抜くなどの食事の回数を減らすと、食後の血糖値が急上昇するので要注意。 - ゆっくり&よく噛んで食べる
早食いは、消化のスピードが速い糖質の吸収を高め、脂肪をためこみやすくします。ゆっくり噛むのがポイント。 - 果物の摂取に気をつける
果物に含まれる果糖は、糖質のなかでも特に吸収が速いため量は控えめに。糖質の比較的少ないみかんやキウイフルーツなどがオススメ。 - 糖質の多い食品を避ける
白米、うどん、食パン、さつまいも、じゃがいも、かぼちゃ、りんご、バナナ、ビールなどは要注意。 - 高カカオチョコを食べる
高カカオチョコとは、カカオ成分が70%以上のチョコレートのこと。血糖値を下げるインスリンの働きを改善するカカオポリフェノールと、糖の吸収をゆるやかにするALTやγ-GTP、コレステロールの数値が改善したという研究結果も。1日25g(板チョコ半分程度)を目安に◎ - 食べる順番を工夫する
食べ方で糖質の吸収を抑制しましょう。オススメの順番は野菜・海藻・きのこ類→肉・魚・卵・大豆製品・乳製品→味噌汁・スープ→ご飯・パン・麺類・いも類。 - たんぱく質の摂取を増やす
極端に偏った食生活ではなく、肉や魚などバランスよく食べるようにしましょう。 - お酒をたしなむ
非アルコール性脂肪肝の場合、お酒は飲んだほうが良いことが証明されているんだとか。アルコール20g程度(ワイングラス約2杯)が適量です。
【参考】2023年新春号「美と健康の要 肝臓を労わる習慣」