眼精疲労や目のぼやけ、ものを見続けることで起こる頭痛に悩まされている人が増えています。単なる目の疲れだと思っていませんか?なかなか症状が回復しないときは「目の位置のズレ」が影響しているのかも!
スマホを長時間使用していて、目がぼやけたり、ものが二重に見えたりする人は「斜視」や「隠れ斜視」の可能性もあります。大人の斜視をテーマに、特徴やセルフケアの方法についてお伝えします♪

斜視とは
片目は目標に対して正しく向いているのに対し、もう一方の目が内側、外側、上下など違う方向に向いている状態をいいます。外見的な特徴があるため、家族や友人から視線のズレを指摘されて気づくことも。
主なタイプとして内斜視、外斜視、上斜視、下斜視があります。上下の斜視は内斜視や外斜視と合併することが多いんだとか。近年では先天性の斜視よりも、スマホの長時間利用による「急性斜視」が増加。歳を重ねてから急に斜視になってしまう人も多いようです。
外見ではわからない!隠れ斜視
斜視があると目の疲れや頭痛、肩こり、ものが2重に見える、目がぼやけるなどの症状が起こります。ですが、見た目は斜視でない人もこれらの症状に悩まされることも。
それは「隠れ斜視」です。ものを見るときには両目がまっすぐ正面を向いていますが、片目でものを見るときには斜視の症状が現れます。外見ではわかりにくいため、気づきにくいのですが、斜視と同様に眼科を受診してください。
隠れ斜視はパソコンやスマホの長時間利用が影響していると考えられています。モニターを見続けるときは10分に1回、1〜2秒程度は遠くを見るのがオススメ。最近増えているスマホ老眼にも要注意です。
斜視の原因は?
「スマホ内斜視」の場合、スマホに近づいて見続けることで寄り目になり、眼球のまわりにある外眼が凝り固まります。
「スマホ内斜視」は無意識にスマホを片目で見続けることで、もう片方の目が外側に泳いだままの状態。隠れ斜視(外斜視)や、左右の視力の差が大きい人に多い傾向です。
対処・治療法
・手術…眼球を動かす筋肉の働きを弱めたり、強めたりする手術。小児期からあった斜視が加齢とともに強くなった場合に多い。
・モノビジョン…左右を異なる矯正状態にし、安定した両眼視になるようにする。
・遮閉法…斜視でないほうの目を眼帯などで隠し、斜視側の目の力をつける。
・プリズムメガネ…光を一定方向に曲げるプリズムを入れたメガネで斜視側の見えかたを正常な目と合わせる。
悪化させないセルフケア
- 遠近がしっかり見えるメガネ・コンタクトレンズを使う
デジタル機器を使用するときも装着しましょう。 - 近くを見るときもメガネ・コンタクトレンズを外さない
老眼が始まっている人はメガネやコンタクトを外さないようにしてください。 - スマホに近づいて見ない
遠近両用のメガネやコンタクトレンズは20~40cmの距離でピントが合うようになっています。最低でも20cmは離して。 - 外眼筋をほぐす
電子機器を長時間使用したらこまめに休憩を。近くを見たあとに2m以上離したところを見るなど、眼球を動かして外眼筋をほぐしましょう。
目のオーバーワークを見過ごしていませんか?斜視はもちろん、眼精疲労を避けるためにも日頃からこまめなケアが大切です♪
【参考】健康雑誌『若々』2022年11月号「スマホが原因⁉ある日突然気づく、大人の斜視」