人生の約3分の1の時間を占めている睡眠。睡眠は疲れをとったり、体のダメージをケアしたりするために必要ですが、実はそれだけではないのです。睡眠について詳しくなれば、眠ることが楽しくなるはず!
質の高い睡眠をとる方法や、夢と脳の関係についてもお伝えします。休日に寝溜めしがちな人や、眠りが浅くて悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

レム睡眠とノンレム睡眠
私たちの睡眠は「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2つから構成されています。最近の研究では「認知症の人はレム睡眠が少ない」ことが判明するなど、レム睡眠の重要性が明らかになってきました。
レム睡眠
睡眠の15%で赤ちゃんの時期に多く、成長・加齢とともに減少。脳が活発に動き、記憶の定着や整理をする。ノンレム睡眠に比べて浅い眠り。
ノンレム睡眠
睡眠の85%程度で成長ホルモンを分泌。脳や体の疲労回復やストレスホルモンの分泌低下。脳が活発に働き、記憶の定着や整理をする。脳内に蓄積した代謝物の除去も。
深いノンレム睡眠のあとにレム睡眠が訪れます。そのため、質の良いレム睡眠をとるためには、その前に深いノンレム睡眠をとることが必要です。この2種類の睡眠のメリハリがあることが最も良い睡眠といえるでしょう。
夢を見ることで脳はリフレッシュする!?
夢についてはまだわかっていないことも多いですが、レム睡眠のときに見ることが多いようです。寝ているにもかかわらず、大脳皮質が活発に活動することで、夢が生み出されていると考えられているんだとか。
夢を見ることで大脳皮質が活発になっているのであれば、大量の赤血球が流れ、物質交換が行われ、脳がリフレッシュしている可能性も。レム睡眠のときは約7割が嫌な夢だといわれていますが、脳がリフレッシュできていると思えばポジティブな気持ちでいられるかもしれませんね。
質の高い睡眠をとる5つのコツ
病気を予防する可能性のあるレム睡眠を増やすには「質の高い睡眠」をとることが不可欠。そのコツを5つご紹介します。
①日光をしっかり浴びる
夕方になると睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌量が増加。日中に太陽の光をしっかり浴びることで、日中の分泌量が抑えられる効果が◎
②日中は活動的に過ごす
ほどよい疲れを感じる程度の軽い運動や、ウォーキングがオススメ。座りっぱなしや長い昼寝はNG。
③睡眠時無呼吸症候群・いびきを治療する
いびきや睡眠時無呼吸症候群は眠りの質が下がる原因に。自覚がある人は一度病院で相談してみるのも良いかも。
④寝る1~2時間前に入浴する
体の表面温度が上がると、体が放熱しようとして体温が下がります。深部体温が下がると眠気が訪れるため、あえて就寝の1~2時間前に入浴して、深部体温を下げてみて◎
⑤リラックスして眠る
明るすぎない光や心地よい温度、湿度などの環境条件を整える。体が脱力していることが大切。
睡眠負債を抱えないようにしよう
毎日の睡眠不足が積み重なると「睡眠負債」として健康リスクが高まります。成長ホルモンは深いノンレム睡眠のときに分泌されるので、時間帯は関係ないんだとか。ですので、ある程度しっかりした時間数をとって眠るようにしましょう。
質の高い睡眠をとれるようにルーティンを見直してみてください。必要なら日中のスケジュールを調整するなども考えたほうが良いかもしれませんね♪
【参考】『若々』2022年12月号「もっと睡眠を楽しもう!夢を見ると脳がリフレッシュ!?」