寒い季節は緑内障にご用心!ビルベリーで予防しよう

目に季節が関係するイメージはあまりないかもしれませんが、実は寒い季節に注意したい「目の病気」があります。今回はその病気と、予防に役立つ「ビルベリー」について紹介します。目の健康を守るためにも、研究結果から何ができるのか考えます♪

冷える注意したい目の病気

特に注意したいのは「緑内障」です。緑内障は眼圧(※)の上昇などが原因で、視神経に障害が起きる病気です。[1]

目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経に障害が起こると、見える範囲の一部が欠けていき、症状が進むと失明に至ってしまいます。

※眼圧…眼球の中を循環する房水という液体による眼球内の圧力

冬は眼圧が高くなる傾向があり、それは寒さによるストレスが原因だといわれています。寒さは交感神経を刺激し、体を緊張状態にして血圧や眼圧を高めてしまうのです。

厚生労働省研究班の調査によると、緑内障は日本における失明原因の第一位であり、社会問題のひとつです。日本緑内障学会が行った調査(通称:多治見スタディ)によると、40歳以上の20人に1人が緑内障であることがわかったんだとか。[2]

年齢を重ねるごとに患者数が増える傾向にあることも判明したそうです。

緑内障は早期発見が大切!

緑内障は初期に自覚症状が無いケースが多く、不調や違和感に気づきにくい病気です。発見された時には末期まで進行していてかなりの視野を失っている人が多くいます。

主な治療法は目薬による点眼治療で、続けることで進行を抑えられます。

自分で気づくことが難しい病気ですが、日頃のセルフチェックや定期健診などで早期発見できるように心がけましょう。少しでも見え方に異変を感じた場合は、早めの受診を心がけてください。

ビルベリーエキスで目を守ろう

わかさ生活では、視神経に障害を与えた人工的な緑内障モデル動物に対して、北欧産野生種ブルーベリー「ビルベリー」はどのような影響を及ぼすのかを調べた研究を行いました。

1つ目の実験では、”視神経を物理的に圧迫させる”ことでマウスに緑内障を引き起こさせました。マウスを2グループに分け、一方の群には生理食塩水(PBS)、もう一方にはビルベリーエキス(BE)を3日間経口投与しました(※)。[3]

※経口投与…体重1kg当たり500mg/day

その後、両グループのマウスの視神経を圧迫して障害を起こし、3日後に視神経近くの組織を採取したところ、細胞の死を抑制するとされる2種類(Grp78, Grp94)のタンパク質の発現量を測定しました。

その結果、ビルベリーエキスを投与したグループに、タンパク質(Grp78,Grp94)の増加が見られました。ビルベリーエキスは視神経の圧迫が引き起こす細胞死を保護する可能性があるのです。

2つ目の実験では、「視神経に薬剤を投与する」ことで、緑内障を引き起こしました。マウスを2グループに分け、一方の群には視神経に障害を起こす薬剤(NMDA)、もう一方にはNMDAとビルベリーエキス(BE)を硝子体に注射(※)しました。24時間後、眼球の傷害を受けた細胞(アポトーシス細胞)の量を分析。[4]

※NMDA…5nmol/eye, VMA…100μg/eye

その結果、NMDA+VMAを投与したグループはアポトーシス細胞の量が減少。つまり、ビルベリーエキスは視神経の細胞死を抑制する可能性が高いようです。

まとめ

緑内障の患者数はこれからさらに増えるといわれています。早期発見、早期治療が重要ですが、日頃から予防としてビルベリーエキスを取り入れるのも良いかもしれませんね。目を大切にしていきましょう♪

【参考】メノコト365

[1]健康雑誌『若々』若々 2020年11月号

[2]https://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/library/glaucoma/nattoku/about-gla/patient/

[3]Nakamura et al. (2017) Bilberry extract administration prevents retinal ganglion cell death in mice via the regulation of chaperone molecules under conditions of endoplasmic reticulum stress. Clin Opthalmol 11: 1825-1834.

[4]Matsunaga et al. (2009) Bilberry and its main constituents have neuroprotective effects against retinal neuronal damage in vitro and in vivo. Mol Nutr Food Res 53(7): 869-77.