読み聞かせで子どもの心と絆を育む。気をつけたい3つのポイントも紹介

子どもにとって、読み聞かせや読書の時間はとても大切だと言われていますよね。

しかし、

  • 具体的にどんな効果があるのかよくわからない
  • 忙しくて、つい「また今度」と思ってしまう

という方も多いのではないでしょうか?

読み聞かせは、子どもの心や脳を育てる大切なひととき。

さらに、親子の絆を深める素敵な時間でもあるんです。

この記事では、読み聞かせの効果と意識したいポイントをご紹介します。

ちょっとした工夫で、驚くほど効果的な読み聞かせができますよ。

1. 読み聞かせの効果

読み聞かせは、子どもの心と脳に良い3つの効果があります。

  • 「感情の脳」を育む
  • 自然に言葉を学び感情表現が豊かになる
  • 親子の信頼関係が強くなる

それぞれの効果を、もう少し具体的に見ていきましょう。

1-1. 「感情の脳」を育む

「読み聞かせで頭が良くなる」といわれることがありますが、実は読み聞かせのとき、計算力や思考力に関係する「前頭前野」はあまり働きません。

読み聞かせで活性化するのは、意欲や情緒など本能に近い感情を司る「大脳辺縁系」という部分。

大脳辺縁系が活性化されることで、「うれしい、楽しい」や「こわい、悲しい」といった感情が育まれます。

例えば、0歳の赤ちゃんに読み聞かせをすると、言葉がわからなくても笑うことがありますよね。

これは、言葉の意味を理解しているのではなく、読み聞かせで大脳辺縁系が活性化して笑顔が出ると考えられているんですよ。

1-2. 自然に言葉を学び、感情表現が豊かになる

読み聞かせは、子どもが言葉を習得する絶好のタイミング。

たくさん読み聞かせをしてあげることで、物語を通じて、自然な流れで言葉を学ぶ機会が多くなります。

読み聞かせの時間は、「感情の脳」を育み、それを表現する言葉を習得していく時間でもあるのです。

1-3. 親子の絆が深まる

コミュニケーション力やストレスへの抵抗力、自己肯定感は、社会を生きていくうえで大切な支えとなるスキルです。

このスキルの基盤は、子どもと親の強い愛着関係、いわゆる「絆」によって育まれます。

読み聞かせは、親子の絆を作る方法のひとつです。

研究によると、読み聞かせ中に親子の脳が同じように働き、お互いを思いやる関係(共感関係)が深まることがわかっています。

読み聞かせは、親子双方に良い影響を与え、絆を深めることにつながるのです。

2. 読み聞かせで気をつけたい3つのポイント

読み聞かせの時間をより良いものにするためには、気をつけたい3つのポイントがあります。

  • 演技しすぎない
  • わざとゆっくり読まない
  • 感想を求めない

それぞれのポイントを、具体的に紹介します。

2-1. 演技しすぎない

子どもは、大人以上に「見る・聞く」といった感覚がとても敏感です。

そのため、演技に力を入れすぎると、子どもは声に気を取られてしまうことがあります。

また、大人が怖いと感じる場面でも、子どもは同じように感じるとは限りません。

登場人物や場面によって少し雰囲気を変えるくらいにして、子どもが自由に物語を楽しめるようにしてあげましょう。

2-2. わざとゆっくり読まない

読み聞かせは、子どもと心を通わせる大切な時間。やさしい声でゆっくり話すと、子どもはより一層安心できます。

しかし、内容を理解してもらうためにゆっくり読むと、子どもにとっては逆効果。

子どもは、感覚的に物事を感じ取る右脳のはたらきが強いので、内容を無理に理解させようとすると疲れてしまうのです。

ゆっくり読むと時間がかかって、大人も疲れてしまいますよね。

お互いに疲れないように、普段の会話くらいのスピードで読み聞かせをしてあげましょう。

2-3. 感想を求めない

読み聞かせの後、子どもたちは自分なりにいろいろと考え、豊かな想像を膨らませています。

ここで「どこが良かった?」「どう思った?」とつい聞きたくなるかもしれませんが、ぐっと我慢しましょう。

感想を求めると、答えることに集中してしまい、想像する余裕がなくなってしまうことがあります。

大人からの声かけは、「最後まで聞けてすごいね」「聞いてくれて嬉しかったよ」と褒めるのがおすすめです。

そうすることで、子どもは読み聞かせの時間がもっと楽しくなり、自己肯定感も育まれます。

また、子どもが自分から感想を言ってくれたときは、どんな言葉でもまずは受け止めてあげましょう。

3. “逆”読み聞かせで脳がメキメキ成長する!?

お子さんが文字を読めるようになったら、たまには読み聞かせの役割を交代してみませんか?

お子さんが音読をして、私たちがそれを聞くという形です。

私たちが本を読むとき、以下のようにさまざまな脳の部位がはたらいています。

  • 目にしたものを調べる(視覚野)
  • 目を動かす指令を出し、文字を目で捉える(前頭前野)
  • 言葉の意味を理解する(ウェルニッケ野)
  • 読んだ文章を理解し、記憶し、思考する(前頭前野)
  • 心の中で音読している声を聞く(聴覚野)

上記に加えて、音読すると計算力や思考力を司る前頭前野が、より強く反応するといわれています。

その効果は、1日10〜15分の音読を行うと、記憶力が20%アップするという研究もあるほど。

余裕があるときには、読み聞かせの役割を交代して、脳に新しい刺激を与えてあげましょう!

4. まとめ|読み聞かせで心と親子の絆を育もう!

読み聞かせには、「感情の脳」と呼ばれる大脳辺縁系を育み、親子の愛着関係を強くする効果があります。

しかし、何より大切なのは親子がお互いにストレスなく、安らげる時間を共有すること。その一環が読み聞かせなのです。 「上手に読もう」「脳を育てよう」と気負わず、まずは数ページからでも、読み聞かせにチャレンジしてみてくださいね。

【参考】
子どもの能力を伸ばす「絵本の読み聞かせ」~その効果とコツをご紹介|学研教室
絵本の読み聞かせにはどんな効果がある?大切さやポイントを解説|保育士ワーカー
脳科学で証明。子どもの心を育てる「読み聞かせ」の力 – 講談社えほん通信|講談社の絵本やイベント、読み聞かせなどの情報サイト
これほど脳が活性化する方法を見たことがない…脳研究者が驚いた「勝手に勉強する子」ができ上がるプロセス 1日10~15分の音読を行うと記憶力が20%アップする | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
脳科学の先生が考える“絵本の読み聞かせ”って? | 生涯学習関連情報 | 東京都生涯学習情報
東京都子供読書推進計画 » 読み聞かせは「心の脳」をはぐくむ