香り高い紅茶とおいしいスイーツで、身も心も満たしてくれるアフタヌーンティー。
実は、最近「ヌン活」と称して、専門店やホテルの豪華なアフタヌーンティーを楽しむ方が世代を問わず増えているんです。
そこで、この記事では話題の「アフタヌーンティー」とはどんなものなのか、あらためてご紹介。
アフタヌーンティーの歴史と、アフタヌーンティーやその主役である「紅茶」がもたらす健康効果を解説します。
目次
1. 英国生まれの「アフタヌーンティー」の歴史
「アフタヌーンティー」は、19世紀のイギリスで生まれた文化です。
その原型を生み出したのは、王侯貴族であった7代目ベッドフォード公爵夫人のアンナ・マリア。
そもそもアフタヌーンティーは、ベッドフォード公爵夫人の「小腹満たし」の時間が始まりだったとされています。
というのも、かつての貴族の食生活は「朝食たっぷり・昼食はほぼなし・夕食は社交込みで20時以降」というスタイル。
ベッドフォード公爵夫人は夕食までの空腹感を抑えるために、紅茶と共に軽食を取ることを始めました。
ひとりで始めた軽食の時間ですが、次第に邸宅へ訪れた婦人たちを軽食の時間に招くようになったのだそう。
この「婦人たちと楽しむ軽食の時間」こそが、現在のアフタヌーンティーの原型になったのです。
2. 体にうれしい紅茶の健康効果
アフタヌーンティーの醍醐味といえばテーブルを彩る食べ物ですが、それと同時に欠かせないのが紅茶です。
紅茶は緑茶や烏龍茶と同じく、チャノキの葉を発酵させて作る飲み物。
近年、紅茶にさまざまな健康効果があることも明らかになってきているのです。
ここからは、健康によい食品としての紅茶の魅力を3つご紹介します。
2-1. 脂肪の吸収を抑える
紅茶の原料であるチャノキには、抗酸化作用をもつ「ポリフェノール」が含まれています。
このポリフェノールは、紅茶を作るために必要な発酵の段階で、「高分子紅茶ポリフェノール」という物質に変化。
高分子紅茶ポリフェノールには、脂質分解酵素のはたらきを抑制して、体への脂肪の吸収を抑えることが明らかになっています。
2-2. 急激な血糖値の上昇を抑える
紅茶は脂肪の吸収を抑えるだけでなく、糖質の吸収を抑え、食後の急激な血糖値の上昇を抑制する効果も期待されています。
複数の研究結果によると、ジャワ紅茶や和紅茶に、糖質を分解する酵素のはたらきを抑える効果が認められたとのこと。
特に遺伝や体質で血糖値が上がりやすい人は、糖質分解酵素のはたらきを抑える効果が出やすいことも明らかになっています。[2,3]
2-3. ウイルスの感染を抑える
「かぜ予防に緑茶うがい」といわれることがありますが、実は紅茶にもウイルスの感染を抑える効果があるんです。
具体的には、紅茶のポリフェノールの一種である「テアフラビン」に、インフルエンザウイルスとノロウイルスの感染を抑えるはたらきがあると判明しています。
感染抑制の効果は緑茶よりも高く、紅茶の成分とウイルスが直接触れることで発揮されるとのこと。
こまめに紅茶を飲むことで、喉についたウイルスが殺菌され、感染症にかかるリスクを抑えることが期待できますよ。
3. 自宅で気軽に!アフタヌーンティーの楽しみ方
イギリスから日本に伝わり、今や幅広い世代の人が楽しんでいるアフタヌーンティー。
アフタヌーンティーの主役である紅茶には、さまざまな体によい効果が期待できます。
そんな体と心を元気にしてくれるアフタヌーンティーを、ぜひ自宅でも楽しんでみませんか?
ここからは自宅でのアフタヌーンティーの楽しみ方をご紹介します。
3-1. カップ&ソーサーとケーキスタンドでちょっと本格的に
アフタヌーンティーの基本は紅茶とティーフーズ。
ティーフーズはペストリー(甘いもの)、スコーン、セイボリー(塩気のあるもの)の3種類を用意すると、アフタヌーンティー感が増しますよ。
さらにカップ&ソーサーとケーキスタンドに盛り付けると、本格的な雰囲気を味わえるのでおすすめです。
3-2. マグカップとプレートでお手軽に
豪華なイメージがあるアフタヌーンティーですが、実はイギリスの一般家庭では、マグカップとプレートを使うスタイルが一般的。
マグカップでお好みの紅茶をいれて、甘いものと塩気のある2種類のフードをプレートに用意するだけでも、立派なアフタヌーンティーなのです。
ぜひお気に入りのマグカップとお皿を用意して、気軽にアフタヌーンティーを楽しんでみてくださいね。
4. まとめ|気軽にアフタヌーンティーを楽しもう
「ヌン活」という言葉が生まれるほど、日本でも広く知られるようになったアフタヌーンティー。
専門店やホテルで楽しむ豪華なティータイムは、身も心も満たしてくれます。
一方で紅茶は体によい効果が期待できるため、アフタヌーンティーの始まりが「毎日の軽食の時間」であったように、ぜひ気軽に毎日取り入れたいもの。
ぜひおうちでも、ゆったりと素敵な時間を過ごしてくださいね。
【参考】
第4話
英国の王侯貴族と紅茶・3 午後の紅茶を始めた貴婦人「19世紀 アンナ・マリア」|酒・飲料の歴史|キリン歴史ミュージアム
自宅で1人で楽しむ英国式アフタヌーンティー。ミルクティー&フードレシピ、食器選びをプロが解説! | 三越伊勢丹の食メディア | FOODIE(フーディー)
紅茶が食後の血中中性脂肪値の上昇を抑制する効果について | 三井農林 お茶科学研究所
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