
『引き寄せの法則』という言葉をご存じですか?
引き寄せの法則とは、目標や願望を口に出したり書き出したりすることで、実現しやすくなるという考え方のこと。
初めて聞いた方もそうでない方も、「スピリチュアル的なものでしょ」「ちょっと怪しい」という感想を抱くかもしれませんね。
しかし、実は『引き寄せの法則』の効果は、科学的に証明されています。
この記事では、引き寄せの法則に関わる脳のRAS機能について解説します。
目次
1. 脳幹網様体賦活系(RAS)とは

脳幹網様体賦活系(RAS)とは、脳の中心部にある脳幹から網目状に伸ばされた神経によってはたらく脳のメカニズムのこと。
人が眠ったり起きたり、呼吸したりしているのは、RASが機能しているから。そのためRASは生命の維持に欠かせません。
また、RASは人の意識のコントロールにもかかわっており、その働きが引き寄せの法則を成り立たせています。
1-1. RASは脳のフィルター
RASの働きは、例えるならば脳の情報フィルターです。
外から入ってくる情報のほとんどは、RASを通して脳に伝えられます。
このとき、すべての情報が脳に伝えられるわけではなく、RASによって選り分けられた情報だけが脳に送られます。
脳は情報を受け取ったうえで何かを考え・感じるため、RASで選ばれた情報が自分の思考や行動を決めると言っても過言ではありません。
しかし、RASが情報を選ぶ基準は、いつも正しいとは限りません。このRASの“クセ”を知ることが、目標達成や成功への鍵を握っています。
2. RAS機能は良くも悪くも働く

RASの働きには、大きく二つの特徴があります。
ひとつは「特定の言葉に意識を向かせ、関連する事柄に気づきやすくなる」こと。
もうひとつは「“自分が信じること”を証明する情報を集める」ことです。
これらの特徴をうまく使えば目標や願望が実現しやすくなりますが、活かし方によっては人生がネガティブな方向へと傾きかねません。
RASがプラスに働く例と、マイナスに働く例を解説します。
2-1. RASは脳の検索窓
RASには、「注意を向けているもの」に意識を引きつけて、関連する物事を見つけやすくする働きがあります。
これが『引き寄せの法則』の正体です。
目標や願望を話したり書き出したりすると、意識がそこへ引きつけられます。
すると、世の中にある無数の情報から願望を叶えるために必要なものが、RASを通して脳に伝わりやすくなるんです。
世界にあふれる情報をインターネット上とするならば、RASはその検索窓に特定のワードを入れている状態。
例えば、RASによって「ダイエット」に意識が引かれていれば、自然にダイエットに関する情報が目に留まりやすくなります。
またRASの意識を引きつけるためには、
- 具体的な言葉で
- 優先順位をつけながら
- 手で紙に書き出す
ことがより効果的であるとされています。
2-2. RASはネガティブな情報のアンテナにもなる

一方でRASの働きは、ときに良くない影響をもたらすこともあります。
RASには情報を見つけやすくするだけでなく、“自分が信じること”を裏付ける情報しか集めないという特徴があるんです。
この“自分が信じること”は、自分が信じているものであれば、内容の良し悪しは関係ありません。なぜなら、RASに内容を精査する働きは備わっていないからです。
例えば「〇〇は体に悪い」と自分が信じていれば、それが確信できるような情報しか目に入らなくなってしまいます。
RASで成功を引き寄せるためには、ネガティブな内容ではなく、自分の願望や自分の人生が豊かになる事柄に意識を向ける必要があるんです。
3.まとめ|RASで成功を引き寄せよう!
脳幹網様体賦活系(RAS)は私たちの意識をコントロールして、目標を叶えるための物事を見つけやすくするサポートをしてくれます。
ただし、物事を見つけやすくする働きは内容に関係なく、ネガティブな内容も集めやすくなってしまうため注意が必要です。
RASをうまくはたらかせるためのポイントは、以下の3つ。
- 具体的な言葉で
- 優先順位をつけながら
- 手で紙に書いてリストアップ
あわせて、目標を叶えた自分の姿をイメージすることも、RASによる引き寄せの法則には大切です。
ぜひ「なりたい自分」を具体的に思い描くところから、スタートしてみませんか?
【参考】
アラン・ピーズ , バーバラ・ピーズ(2017) . 『ブレイン・プログラミング』 . サンマーク出版