健康やアンチエイジング、美容など、さまざまな場面で目にするようになった『活性酸素』という言葉。
「体にとって良くないもの」「病気や老化の原因になる」というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか?
しかし活性酸素も、私たちの体にとっては少なからず必要なもの。一方で、増えすぎると体に悪影響が現れます。
本記事では、活性酸素の働きと影響を解説します。活性酸素のバランスを保つ生活習慣も紹介するので、ぜひご一読ください。
目次
1. 活性酸素って何?
活性酸素の原因となるのは、私たちが呼吸で体内に取り入れた酸素です。体内の酸素のうち一部(一説によると約2%)が活性酸素に変化しています。
活性酸素は、通常の酸素分子よりも不安定な物質です。
安定するためにほかの物質と結びつこうとするのですが、そのときの反応が、体にさまざまな影響をもたらします。
では、活性酸素の具体的な役割と働きを確認してみましょう。
1-1. 活性酸素の役割と働き
体に悪いイメージがある活性酸素ですが、その影響は悪いものばかりではありません。
そもそも活性酸素の「活性」は、酸化させる力のことです。
白血球から生み出される活性酸素は、体内の免疫機能やウイルス感染から守る大切な役割を担います。
また活性酸素には、細胞の成長や修復、排卵、受精を調整する働きもあります。
活性酸素は、少なからず私たちの体に必要な物質なのです。
2. 過剰な活性酸素があたえる健康への影響
活性酸素は適度な量であれば、体の免疫機能や細胞の成長や修復に必要不可欠な役割を果たします。
しかし食べ過ぎやストレス、運動不足、喫煙などの影響を受けると、体内の活性酸素が増加。
過剰な活性酸素は、私たちのイメージどおり、健康にさまざまな影響を与える可能性があるのです。
なかでも、特に活性酸素と関わりがある症状や病気を紹介します。
2-1. 酸化ストレスによる老化や疾患
私たちの体には、活性酸素の量を調整し、自ら産んだ活性酸素によるダメージを修復する仕組みが備わっています。
しかし活性酸素が過剰に生成されると、仕組みのバランスが崩れます。これが酸化ストレスを受けた状態です。
酸化ストレスは細胞や組織にダメージを与えるため、体の老化やさまざまな疾患の原因となります。
具体的な老化の例は、筋肉量の低下や肌のシワ・シミの増加など。
疾患の例には、心臓病や動脈硬化、糖尿病、アルツハイマー病などが挙げられます。
2-2. 炎症性疾患
活性酸素によって細胞がダメージを受けると、炎症が起きたり、すでにある炎症が悪化したりします。
過剰な活性酸素は、炎症が慢性化する原因です。
慢性的な炎症は、関節炎や炎症性腸疾患などの疾患を引き起こす可能性があります。
2-3. がんの発症
活性酸素が体内で過剰に作られると、体は以下のような影響を受けます。
- 細胞や組織のダメージ
- 炎症の慢性化
- 免疫力の低下
これらの影響は、いずれも細胞のがん化やがん細胞の成長・増殖が促進される要因です。
過剰な活性酸素が体内にたまり、上記のような影響を受け続けることで、がんの発症リスクが高まると考えられます。
3. 活性酸素に対抗する『抗酸化物質』
活性酸素の増加による影響を軽減するためには、抗酸化物質を外から取り入れることが重要です。
抗酸化物質とは、活性酸素の発生や働きを抑えたり、活性酸素そのものを取り除いてくれる物質のことです。
ビタミンA・C・E、β-カロテン、ポリフェノールなどが抗酸化物質として有名です。
近年注目を集めているのは、特に強い抗酸化力がある『ポリフェノール』です。
ポリフェノールが含まれる代表的な食品には、ブルーベリー、大豆、ごま、緑黄色野菜、甲殻類、サケなどがあります。
現代の生活は、活性酸素が増える要因が身近にある状況です。
食事やサプリメントで抗酸化物質を積極的に摂取することが、現代の酸化ストレスを防ぐカギとなります。
4 まとめ
活性酸素は体内の細菌やウイルスを殺菌して、私たちの体を守る働きをしています。
しかし過剰になると、老化や生活習慣病の原因となり、健康に悪影響を与えることも事実です。
活性酸素が増える原因は、ストレスや喫煙、食べ過ぎ、運動不足など、日常生活に関連するものがほとんどです。
生活習慣を見直しつつ、抗酸化物質を積極的に取り入れて、健康的な体を維持していきましょう。