「ストレス社会」と呼ばれる現代、皆さんはどのようにストレスを解消していますか?
寝る、食べる、飲む、歌う……さまざまなストレス解消法がありますが、実は「読書」にもストレス解消効果があるんです。
この記事では海外の研究で明らかになった「読書のストレス解消効果」を紹介します。
読書に秘められた健康に良い効果も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 日本人の約半数は読書していない
読書の効果を紹介する前に、そもそも日本人はどれくらい読書しているかご存じですか?
実は、平成30年度に文化庁がおこなった『国語に関する世論調査』では、約47%の人が「月に1冊も本を読まない」と回答しているんです。
また同調査で「以前と比べて読書量が減っている」と答えた人は、約67%。
調査結果から、読書しない、もしくは読書量が減っている人が大半だとうかがい知れます。
かくいう筆者も、“積読”が増えている一人です。
しかし、この記事で紹介する読書のメリットを知ると、「読書しようかな」と思えますよ。
ぜひ最後までご覧ください!
2. 6分読書でストレスが約68%減少する!?
「6分間の読書で、ストレスが約68%減少する」と発表したのは、イギリス・サセックス大学の研究チーム。
この研究は2009年におこなわれたもので、
- ストレスがかかった状態で、「ストレスを下げる」とされる活動を実施
- ストレスを下げる活動は読書、お茶やコーヒー、散歩、ゲーム、音楽鑑賞の5つ
- 活動後、心拍数と筋肉の緊張度合いを測定
という実験の結果、読書でストレスレベルがもっとも低下し、その数値は約68%減だったとのことです。
また「ストレスレベルが約68%低下」という数値は、読書を始めて6分後にあらわれたと報告されています。
ただし、この研究結果は学術誌や論文のデータベースに掲載されたものではありません。
今後より研究が進み、正式な論文が発表されることを期待しましょう。
3. 「読書で健康かつ長生きできる」という研究結果も
日本ではしない人が増えている「読書」。
しかし読書には、健康や長生きにまつわる効果が期待できると研究で実証されているんです。
3-1. 本を読む人は長生きする
アメリカ・イェール大学の研究では、「本を読む人は、読まない人に比べて長生きする傾向がある」と実証されています。
50歳以上の3635人を対象に、最長12年間の調査をおこなった結果は以下のとおり。
- 本を読む人は、読まない人に比べて平均2年長生きした
- 週の読書時間が長いほど死亡率が低くなった
- 雑誌や新聞よりも、本を読むほうがより効果的であった
この結果は、性別や健康状態の違いに関係なく見られたそうです。
また同大学の博士いわく「1日30分の読書で、生存率は大幅に上昇する」とのこと。
スキマ時間の10分から、長生きのための読書習慣を作ってみませんか?
3-2. 本を読む人は認知症の発症が遅くなる
アメリカ・ラッシュ大学による論文には、「本を読む人は認知症の発症年齢が遅くなる」という旨の内容が記載されています。
認知症患者ではない高齢者1903人を対象におこなわれた実験では、「高い認知活動(読書)の習慣がある人は、習慣がない人よりも認知症の発症が約5年遅くなる可能性がある」と判明。
また論文内では、高齢になってから読書を始めた場合も、認知症の発症を遅らせる可能性はあるとも述べられています。
「読書を始めるのに、遅すぎることはない」と研究で明記されているのはうれしいですね。
4. まとめ
読書にはストレスを解消する効果が期待されるほか、生存率を上昇させたり、認知症の発症を遅らせたりする効果が期待できます。
読書時間は1日30分でOK。
気になっていた本や読もうと思って積読していた本で、ぜひ健康のための読書習慣を始めてみませんか?
【参考】
たった6分でストレスを68%も削減する…音楽鑑賞、散歩、コーヒー、ゲームよりも効果的なストレス解消法
読書が脳にもたらす10個のメリットとは?脳によい影響を与える読書のコツを紹介