
日本では「目に良い食材」というイメージがあるブルーベリー。
しかし近年アメリカでは、ブルーベリーがさまざまな健康効果をもたらす“スーパーフード”として注目されていることをご存じですか?
アメリカではあらゆる研究が進められており、目に良い働きがあるだけでなく、脳や血管などの機能も改善することが明らかになっているんです。
この記事では実際の研究結果を引用しながら、ブルーベリーの健康効果を紹介します。
目次
1. ブルーベリーに含まれる健康によい栄養素

ブルーベリーには、主に以下のような栄養素が含まれています。
- 食物繊維
- ビタミン類(ビタミンC、ビタミンK)
- ミネラル類(亜鉛、マンガン)
- アントシアニン
なかでも特に注目したいのが「アントシアニン」。
強い抗酸化力を持つアントシアニンは、さまざまな健康効果が期待できる成分で、国内外で研究が盛んにおこなわれています。
2. ブルーベリーに期待できる健康効果

豊富な栄養素と、強い抗酸化力を持つ「アントシアニン」が含まれるブルーベリー。
日本では目に良いことが有名ですが、世界的に以下のような健康効果が研究で判明しています。
- 視機能の改善・眼病の予防
- 血管機能の改善
- 認知機能の改善
実際の論文内容と共に、ブルーベリーの具体的な健康効果を紹介します。
2-1. 視機能の改善

人が“もの”を見るためには、網膜にある「ロドプシン」というタンパク質が欠かせません。
具体的にはロドプシンが分解と再合成を繰り返すことで、脳は「目が見える」と認識しています。
しかし、ロドプシンを再合成する働きは、加齢や疲れの影響で徐々に低下。
ビルベリー(北欧産に自生する野生種のブルーベリー)由来のアントシアニンには、このロドプシンの再合成を助けるはたらきがあると研究で判明しています。
そのため、アントシアニンには加齢や疲れが原因となる目のかすみ、見えにくさを予防・改善する効果が期待できます。
2-2. 眼病の予防
80歳以上になると、ほとんどの人が発症する可能性がある白内障。
白内障は目の水晶体に紫外線ダメージが蓄積し、白く濁ることで発症する病気です。
わかさ生活研究所がおこなったマウス実験によると、マウスにアントシアニン入りのエサを与え続けたところ、白内障の進行が抑制されたことが明らかになっています。
また視力や視野が損なわれる緑内障は、視神経への酸化ストレスや眼圧が高まることでリスクが上昇する病気です。
同研究所がおこなった細胞実験では、ビルベリーエキスが酸化ストレスから目の細胞を守ることが判明しているとのこと。
近年は若年層でも白内障や緑内障を発症する方が増えているため、早めにブルーベリーで対策したいですね。
2-3. 血管機能の改善

高血糖や高コレステロールは、血管機能を悪化させて心臓病のリスクを高める要因になります。
海外の研究では、高カロリー・高脂質・高糖質の食事にアントシアニン約370mg分のブルーベリーを加える実験を実施。
結果、食後24時間のインスリン数値、血糖値、総コレステロール値が低下することが判明しました。
そのため、アントシアニンが豊富なブルーベリーには、血管機能の改善に効果が期待できる可能性が示唆されています。
2-4. 認知・記憶機能の改善
ブルーベリーの記憶機能への効果を研究するロバート・クリコリアン博士は、「アントシアニンが認知機能の改善に役立つ」と論文で発表しています。
認知症の発症リスクが高い年齢の被験者を対象に、ブルーベリージュースを12週間毎日飲んでもらったところ、以下のような効果が実証されたのです。
- 記憶機能の向上
- 抑うつ症状の軽減
- 空腹時血糖値の低下
また、ブルーベリーによる記憶機能の向上効果は、7〜10歳の子どもを対象とした別の研究でも実証済み。
これらの研究結果から、ブルーベリーは幅広い年齢の記憶機能を向上させることが期待できます。
3. まとめ
ブルーベリーがもつ栄養素「アントシアニン」は、目を健やかに保つだけでなく、血管や脳にも良い働きをしてくれます。
サラダや冷凍フルーツ、ジャムなど、ブルーベリーはあらゆる方法で食べられる果物。 毎日の食事に少しずつ加えながら、サプリメントも活用して、健康のためにアントシアニンを摂り入れていきましょう。
【参考】
Blueberry supplementation improves memory in older adults
Cognitive effects following acute wild blueberry supplementation in 7- to 10-year-old children