行く前からワクワクして、行った後も楽しい気持ちが続く旅行。
実は旅行にはストレスを軽減させたり、創造力・積極性を向上させる効果が期待できるんです。
この記事では日本と世界の研究結果をもとに、旅行の健康効果を3つご紹介します。
紅葉も美しさを増し、日本中は行楽シーズン真っ只中。
旅行好きの方はもちろん、「あまり旅行しない」という方も、読めばきっと旅行に行きたくなりますよ。
ぜひ最後までご覧ください!
旅行に期待できる3つのうれしい効果
近年は『ヘルスツーリズム』という言葉が生まれるほど、世界中で知られている旅行の健康効果。
日本とアメリカでおこなわれた複数の研究によれば、主に以下3つの効果が証明されています。
- ストレス軽減
- 心臓疾患のリスク低下
- 創造力・積極性・幸福度などの向上
それぞれの効果について、もう少し詳しく見ていきましょう。
①ストレス軽減
立教大学 現代心理学部でおこなわれた複数の研究では、旅行とストレスの関係について、次のような結果が報告されています。
- 『通常の週末を過ごすグループ』と『一泊二日の旅行に参加するグループ』を比較
- 旅行に参加したグループは、旅行後にストレスホルモン(コルチゾール)の値が低くなっていた
- 同様の研究で心拍を解析したところ、旅行参加グループはストレス軽減の傾向がみられた
さらに海外の研究では、海外旅行から帰国後3日間は不安感が少なく、明るい気持ちが維持されることがわかっています。
あわせて、旅行がもたらす精神面のプラス効果は、長くて45日間ほど続くことも判明しているとのこと。
定期的な旅行は、日々のストレス軽減にも繋がるんですよ。[1]
②心臓疾患のリスク低下
旅行には心臓疾患のリスクを下げる効果も期待できます。
2013年にアメリカでおこなわれた研究では、旅行と心臓疾患について、以下のような結果が報告されていました。
- 6年に1回の頻度で旅行に行く女性は、年2回の頻度で旅行に行く女性に比べて、心臓発作や動脈硬化などを発症するリスクが著しく高い
- 年に一度も旅行などの休暇を取らない男性は、休暇を取る男性に比べて死亡リスクが20%、心臓疾患のリスクが30%高い
つまり旅行の頻度が高いほど、心臓疾患や死亡リスクが低下するということ。
旅行先では徒歩移動が増えたり、早寝早起きして観光を楽しんだりして、自然に生活リズムが整いますよね。
このような旅行による運動量の増加と生活リズムの改善が、心臓疾患のリスク低下につながると考えられているのです。[2]
③創造力・積極性の向上
旅行には考える力を向上させ、前向きな気持ちになる効果も期待できます。
アメリカのアダム・ガリンスキー氏がおこなった研究によれば、『さまざまな文化を体験することが、創造力の拡大を促進する可能性がある』とのこと。
また日本の国土交通省 観光庁がおこなった検証では、旅行後に日常生活への意欲や人生を楽しむ積極性が向上したとの報告もされています。
「旅行がとても楽しかった」→「また旅行に行きたい」→「旅行を満喫できるよう健康でありたい」
というプラスの連鎖が起こることで、考える力(創造力)や積極性の向上が期待できるんですよ。[3]
まとめ
旅行には、3つのうれしい健康効果が期待できます。
- ストレス軽減
- 心臓疾患のリスク低下
- 創造力・積極性の向上
コロナ禍を経て、旅行することに抵抗ができてしまった方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、心身のより長い健康のためには、旅行も大切な要素のひとつです。
この秋は感染対策をしっかりしながら、健康のために旅行を楽しんでみませんか?
【参考記事】
[1] メンタルヘルス・ツーリズムとしての短期旅行が従業員の精神的健康に及ぼす影響
旅の効能18 立教大学 現代心理学部教授 小口孝司×星野佳路
Multicultural experience enhances creativity: the when and how