「光に当たっていないのに、なぜか眩しい」
「急に目の前がチカチカする」
これらは『光視症(こうししょう)』という目の症状。
突発的に起こる光視症の場合、病気の心配はほぼありません。
しかし症状が続いたり、何度も繰り返したりする場合は、目や脳の病気が隠れている可能性があるんです。
この記事では、光視症の症状や主な原因を解説します。
原因別の対処法もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
1.「光がないのにまぶしい」のは光視症のサイン
光視症は目に光が当たっていないとき、急に視野の一部で光を感じる症状です。
感じ方には個人差があり、
- キラキラ光っている
- ピカピカしている
- 閃光や稲妻のように光る
- 目を閉じているのにピカッと光る
など、さまざまに表現されます。
2.光視症の主な原因2つと対処法
光視症には『目が原因の症状』と『頭が原因の症状』があります。
目の場合、目の中の大半を占める『硝子体(しょうしたい)』がさまざまな要因で揺れ、網膜が刺激されることが症状の原因。
頭の場合、脳内の血管に何らかのストレスや異変があることが原因です。
もう少し詳しく、光視症の原因を部分別に解説します。
網膜が刺激されることで起こる光視症。
硝子体が網膜をひっぱり刺激を与える理由は、主に次の2つです。
- 外からの衝撃
- 加齢
外からの衝撃は一時的なものもあれば、硝子体が萎縮・変性して網膜から部分的に剥がれてしまう『硝子体剥離』によって、網膜の細胞が刺激され、光って見える場合もあります。
以下の場合は、特に注意が必要です。
- 繰り返し症状がある
- 視野に黒い虫が見える症状(飛蚊症)が伴う
- 視野が欠ける
これらは「網膜剥離」や「網膜裂孔」の可能性があります。いずれも失明につながる恐れがあるので、異常を感じたら速やかに眼科を受診しましょう。
頭が原因→偏頭痛、脳梗塞
片頭痛の前兆とされる『閃輝暗転(せんきあんてん)』。
目に原因はないものの、こちらも光視症のひとつとされています。
閃輝暗転は片頭痛を持っている方の10〜20%が経験すると言われている症状です。
具体的には、
- 歯車のようなジグザグな光が見える
- 色のついた光が見える
- 視界の一部が見えなくなる
といった症状が両目で同時に起こり、数十分後に症状が消え、そのあと偏頭痛が起こります。
閃輝暗点は脳の血管が突発的にけいれんするのが原因。
偏頭痛と同じく、ストレスや睡眠不足、過労などがトリガーになるとされているので、普段の生活習慣を整えることが大切です。
ひどい吐き気や嘔吐を伴う場合は、専門医への相談も検討すると良いでしょう。
頭痛が起こらない閃輝暗点は注意!
一方で、中高年で見られる頭痛のない閃輝暗転は要注意です。
原因として、脳内の血栓による脳循環障害が考えられます。
加えて動脈硬化、不整脈、脳梗塞、脳出血などの病気が隠れている可能性も。
症状が気になる方は早めにかかりつけ医に相談し、専門医を受診することをおすすめします。
3.まとめ
一般的な光視症は、直ちに治療する必要がある病気ではありません。
かといって、症状を無視するのは大変危険です。
特に以下の症状を伴う光視症は、病気が隠れている可能性があります。
- 視野が欠ける
- 飛蚊症を伴う
- 何度も繰り返す
- 頭痛が起こらない閃輝暗点
少しでも当てはまる症状があれば、自己判断で済ませることなく、できるだけ早く医師に相談しましょう。
【参考記事】
目の前にキラキラとしたものが飛ぶ?「光視症」の症状や原因とは
「光が飛んで見える、チカチカする(光視症・閃輝性暗点)」原因と考えられている病気一覧