乳がんについて聞いたことはあっても、自分にはあまり関係がないと思っていませんか?
実は、日本人女性の9人に1人が発症しているというデータも。この割合は今後更に増えていくという見方もされているのだとか。
今回は乳がんについての理解を深めながら、簡単にできるセルフチェックの方法をお伝えします。早期発見、症リスクを回避していきましょう◎
1.乳がんとは
「乳がん」とは乳腺に悪性の腫瘍ができること。
女性の乳房の内部には母乳を作り出す「小葉」、母乳の出口である「乳頭」、小葉と乳頭をつないで母乳を運ぶ「乳管」があり、この3器官をまとめて「乳腺」と呼ぶのです。
主な症状は胸のしこりのほか、乳頭、乳輪部の湿疹やただれ、乳房の皮膚のくぼみ、乳頭から分泌物が出る、左右の乳房の形が非対称になるなどです。健診で無症状の乳がんが発見されることもあります。
放置すると乳房のまわりのリンパ節だけでなく、骨や肺などの遠くの臓器にも転移する可能性があり、早期の治療が重要です。
2.乳がんは「治りやすいがん」
乳がんの5年生存率は90%を超え、治りやすいがんといえます。その理由は早期に発見して、早期に治療を開始する人が多いこと。自分の乳房を注意深く見たり触ったりすることで、異変に気づくことができます。
また、効果的な薬物治療ができるようになったのはご存知でしょうか?新しい治療法の研究や薬の開発も進められ、次々に実用化されているのです。できるだけ早期に発見できれば、治療や医療費の負担も少なくすむのです。
3.リスクチェックとセルフチェック
月に1回、決まった時間に乳房を見たり触れたりして、しこりなどの異常がないかチェックしましょう。生理が終わって4~7日後に行うのがオススメ◎
リスクチェック
・飲酒の習慣がある
・喫煙している
・家族に乳がんや卵巣がんの経験者がいる
・良性の乳腺疾患にかかったことがある
・月経が早い
・出産経験がない
・初産が30歳以上
セルフチェック
・見てチェック
赤く腫れていないか、皮膚のへこみやひきつれはないか、乳首や乳輪がただれていないか、乳頭が徐々に陥没してきていないか、乳頭からの分泌物(血性/赤・茶・オレンジ色)はないかを調べてみましょう。
・触ってチェック
しこりはないか、わきの下にしこりはないかをチェックする方法を紹介します。
①親指以外の4本の指を乳房にあて、乳首の周囲から細かく「の」の字を書きながら、渦巻きを描くようにそっと押すように触る。
②縦横に平行線を引くように移動させながら、同様にチェック。
③乳首や乳房をつまんで分泌物がないかどうかをチェック。パジャマやブラジャーに分泌物のシミがついてないか要注意。
乳腺は乳頭を中心に、わきの下まで放射状に広がっています。背中に近いところや胸の谷間の部分にも。セルフチェックはふくらみがある部分だけでなく、背中も手が届くところまで広く触って確認することが大切です。
4.健診は自治体の助成も◎
自覚症状がなく受けた検診で、乳がんが発見された人の8割以上が完治の可能性が高い早期がんです。
乳がん検診の内容は自治体や企業によって様々ですが、マンモグラフィーと乳腺超音波(エコー)が含まれているものをオススメします。例え自覚症状がなくても、定期的に検診を受けることが重要です。
【参考】健康雑誌『若々』2023年新春号「知っておきたい 乳がんのこと」