健康診断などで、肝機能の数値が高めだといわれたことはありませんか?
実は、健診で指摘される肝疾患のうち、最も多いのが「脂肪肝」です。自覚症状がないため、放置されることが最も多い病気の1つで、お酒を飲まない女性も要注意!
今回は意外に知られていない「肝臓の働きや機能」について解説します。食生活が乱れやすい人は要チェックです。
1.肝臓の働きと機能
肝臓は2500〜3000億の肝細胞からなり、重さは成人で約1.2〜1.5kg。体重の約50分の1に相当する、体内で最も大きな臓器です。
肝臓の働きは大きく分けて「代謝」「解毒」「胆汁の生成」の3つ。生命維持に不可欠な役割をになっていることから、「生体の化学工場」と呼ばれることも。
その働きには大量の血液が必要とされ、肝動脈のほかに門脈と呼ばれる血管を通して、心臓から送りだされる血液の約4分の1が流れ込みます。
肝臓は8割切り取られたとしても、働き続けながら元の大きさに回復することができ、機能が低下しても自分で気づきません。肝臓の状態を知るには、定期的に血液検査を受け、数値などを理解しておくことが大切です。
2.あなたは大丈夫?数値の見方
肝機能の不調は自覚症状としてなかなか現れないため、健康診断で発見されるケースが増えています。その指標は次の3つの検査項目でわかります。
- ALT…肝細胞に異常があると上昇。17以上だと脂肪肝の疑いあり
- AST…肝臓を含む器官の異常が起こると上昇。17以上は脂肪肝の疑いあり。AST>ALTはお酒の飲み過ぎ。AST<ALTは糖質の過剰摂取。ASTだけが高いと心筋梗塞や筋肉疾患の疑いあり。
- γ-GTP…肝臓や胆道に異常があると上昇。AST>ALTかつ100IU/L以上はアルコール性脂肪肝の疑いあり。
3.こんな食生活の人は要注意!
肝臓は生活ルーティンの影響を受けやすい臓器。普段の生活習慣をチェックして、できるところから改善するようにしましょう。
<リスクを高めるNG行動>
・朝食を食べない、
・塩分が多い食事をとる、
・糖分が多い食事をとる、
・丼物や麺類などの一品の食事が多い、
・食べるのが早い、
・運動不足、
・夕食の時間が遅い、
・夜ふかしが多い、
・過度の喫煙・飲酒をしている、
・1ヶ月3kg以上のダイエットをしている
…などがあります。
4.まとめ
大丈夫!と思っていたら隠れ脂肪肝だった…なんてことにならないように、普段のルーティンをよく見直してみることです。リスクを高めるNG行動にひとつでも心当たりがあれば、改善したほうが良いかもしれませんね。体の内側から美しく健康になりましょう!
【参考】健康雑誌『若々』2023年新春号「美と健康の要 肝臓を労わる習慣」