病気にかかっているわけでも無いのに「頭痛や肩こりが続いて辛い」「理由もないのにうつっぽいような気分になる」…なんてことがありますか?
実はそれは「気象病」が原因かもしれません。昔から、雨の日は古傷が痛むなどと言われることがありますが、温度や湿度、気圧といったものに人の体や心は影響を受けやすいのです。
そこで今回は、気象病のメカニズムや対策について紹介します。自律神経が弱い人は、特に必見です。

気象病の原因については多くの研究がされてきましたが、カギとなるのは「内耳にある気圧センサー」だということが判明しました。この内耳にあるセンサーが気圧の変化をキャッチして、脳に情報が伝わり、自律神経が乱れてしまうのです。
気象病になるのはなぜ?
さらに、頭痛や肩こり、関節痛などもともと慢性痛がある人は、このセンサーに影響されやすいので注意が必要です。他にも、女性は歳を重ねると、更年期などでホルモンや自律神経が乱れやすいので、気象病の影響を受けやすいと考えられています。
気圧は大気潮汐(たいきしおしお)と呼ばれる大きな上下運動が1日に2度起こります。この気圧のピーク直後に頭痛が出たり、体調を崩したりする人が多いです。ですが、体質的にわずかな気圧の変化でも、機敏に感じてしまう人もいます。
日本は気候の影響を受けやすい!
気圧、気温、湿度は四季ごとに変わるため、日本は気候変動の影響を受けやすい国です。
雨が降る直前に気圧が下がり、そのストレスに対抗しようと交感神経が活発になって、痛みが強くなります。統計的に3日に1度は雨が降り、平均で40〜50日の梅雨があるため、そのようなストレスを受ける日が多いのです。
あなたはどのタイプ?3つの気象病
自分の症状を思い浮かべながら、リストの中で半分以上当てはまるものを探してみてください。まずは、苦手としている気象のタイプを見つけましょう。
A天気くずれに弱い!気圧タイプ
- 2~3日前から天気が崩れるとわかる
- 乗り物酔いしやすい
- 耳抜きができない
- 飛行機、新幹線が苦手
B寒暖差に弱い!気温タイプ
- 寝付きが悪い、夜中に目が覚める
- 気持ちはあっても体がついていかない
- 手足が冷える
- ストレスに弱い
C.梅雨に体調を崩す!湿度タイプ
- むくみやすい
- 湿気が苦手
- 汗をかきにくい
- 寝汗をかく
毎日を快適に過ごす対策5つ
①栄養を見直す
1日3食きちんと食べるようにしましょう。規則正しい食事は自律神経も整えます。
頭痛対策にはビタミン群、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルが必須。
ビタミンBで内耳の過敏な興奮を抑えることも。
②カフェインを摂取しすぎない
血管の収縮作用があり、偏頭痛の治療にも用いられていますが摂取のしすぎは禁物。依存症になると、逆に頭痛の原因にも。エナジードリンクにも要注意です。
③タバコを避ける
タバコに含まれているニコチンは抹消の血行不良を促進させ、むくみや偏頭痛を起こしてしまうことに。百害あって一利なしでしょう。
④着圧ソックスを活用
心臓から流れてきた血液は、脚の筋肉によって心臓まで戻ります。ですが、筋肉量が減っていると血液やリンパの流れが悪くなる原因に。日中に着圧ソックスを履くことで、下半身に水分を溜めないようにしましょう。
⑤キレイな姿勢をキープ
姿勢が悪いと自律神経の乱れに繋がります。首や肩のコリを引き起こし、血行不良から内耳のむくみの原因になってしまうことも。PCやスマホ利用中は、首が前に出過ぎないように気をつけましょう。
気象に左右されずにイキイキと過ごせるよう、自分の傾向から対策してみてくださいね♪
辛い時にはゆっくりと休むことも大切です。
【参考】『若々』2022年6月号