実は、身近な病気である歯周病。危険な病気になるリスクも上がるってホント?なんと歯周病の原因は歯石じゃない!意外な原因から、あまり知られていない危険性についても解説します!

歯周病はどんな病気?
私達にとって身近な病気である歯周病。厚生労働省の調査(※1)によると、患者数が年々増えているといわれています。
歯磨きを忘れると、歯の表面にネバネバとした白い物質がついていることがありませんか?それはプラーク(歯垢)といわれるもので、そこに棲んでいる「細菌」が歯周病の原因です。
ヒトの唾液の中には、およそ700〜1000種もの細菌が住み着いています。歯磨きでの磨き残しやバランスの悪い食生活などによって、様々な細菌が積み重なって作られるのがプラークの正体です。
歯周病が悪化すると歯から出血し、歯周病菌と炎症物質が全身に運ばれ臓器にまで届くことによって、危険な病気のリスクを上げることにも繋がります。特に悪性度の高い「ジンジバリス菌」がいると歯周病の進行も早く、口内の環境も一気に悪化してしまいます。
歯周病は命にかかわる!進行させないためには?
歯周病があると全身疾患のリスクも上がるので注意が必要です。例えば、心筋梗塞は2.8倍、肺炎は1.2倍、膵臓がんは1.6倍になるといわれています。
歯周病菌は細胞の表面や血管の壁にくっつきやすく、とても強い吸着力をもっています。歯周病菌が血流にのって心臓に届くと、心臓の弁や内膜に取り付き、その表面で歯周病菌が増殖を始めます。そうなると、感染性心内膜症を起こします。
炎症性物質も一緒に運ばれるので、全身の慢性疾患も悪化させます。歯周病とは一見無関係そうに思える病気があちこちで起こる…なんてことも。
また、悪性菌である「ジンジバリス菌」が分泌する酵素が脳内に侵入すると、アルツハイマー型認知症を発症させるという報告があります。いつまでも健康でいるためには、口腔ケアは欠かせませんね。
日々のケアを大切にしよう
歯周病を進行させないためには日々のケアが大切です。忙しい毎日のなかでは、つい歯磨きをおろそかにしてしまうことも。毎日のスケジュールを見直して、口腔ケアのための時間をしっかりとるように心がけてくださいね♪
【参考】健康雑誌『若々』2022年4月号
※1 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/17/dl/kanja.pdf