夏の季節を迎え一層強くなる日差し。この時期、外で遊ぶ機会が多い子どもの紫外線による影響が気になる、という方が多いのではないでしょうか。
今回は、様々な研究結果から子どもの目を紫外線から守る必要性と、紫外線対策を行いながら適度に太陽の光を浴びることの良い影響ついてお伝えします。
紫外線には「UV-A」「UV-B」「UV-C」の3種類があります。最もエネルギーが強いUV-Cは、オゾン層などに吸収され地上には到達しません。私たちに影響を及ぼす紫外線のうち、UV-Aは肌の真皮や目の奥の網膜に到達し、UV-Bは肌の表皮や目の角膜・水晶体に吸収されます。どちらも肌や角膜の炎症などを起こしたり目の病気の原因となったりします。
子どもの目は大人よりも光を通しやすい
成長過程にある子どもの目は、大人よりも光を通しやすいため、小さい頃からの紫外線対策が大切。対策を怠ると、紫外線の強い場所(スキー場、海水浴場、高山など)で長時間遊んだ後に一時的に「雪目(ゆきめ)」という角膜炎が起こることがあります。
また、小さい頃から紫外線を浴びる機会が多いと、白目の一部がシミのように黄色く濁り盛り上がる「瞼裂斑(けんれつはん)」や、水晶体が白く濁る「白内障」になるリスクが高くなります。
太陽の光を浴びることも大切
紫外線は良くないものだと感じている方も多いと思いますが、しっかりと紫外線対策をし、外出やスポーツなどで適度に太陽の光を浴びることは、骨にとって重要なカルシウムの代謝を調節するビタミンDの合成を助けてくれるので大切です。
近視の進行抑制効果を持つバイオレットライト
慶応大医学部眼科学教室の坪田一男名誉教授(2022年3月退官)の研究結果から、太陽光に含まれるバイオレットライトを浴びることは、近視の進行抑制に効果があることがわかったそうです。
また、様々な研究結果から1日2時間程度屋外で過ごすのが良いそう。しかし、最近の窓ガラスはバイオレットライトを通さないので、紫外線対策をして直接太陽の光を浴びることが必要です。
どんな紫外線対策をすればいいの
帽子やメガネで目に入る紫外線を防ぎましょう。両方を使用すればより効果的です。
帽子はつばが7cmあるものをかぶれば、顔に当たる紫外線の60%をカットできるといわれています。メガネは子ども用のサングラスでなくても、視力を矯正するための通常のメガネでも紫外線を予防する働きがあります。
メガネを作る際に、UVカットレンズを選らぶと安心です。また、日差しが強い時間(特に10時から14時)の外出などをできる限り避けることも有効です。
普段から目の大切さについて、ぜひ親子で話す機会を設けてくださいね。
【参考】メノコト365