不調はビタミンD不足が原因!? 心身の健康にかかわる効果を解説

骨を丈夫にする栄養素として知られている「ビタミンD」。

近年の研究では、ビタミンDが免疫力の維持やメンタルの安定などに役立つと判明し、その効果が世界中で注目されています。

そんな注目のビタミンDですが、実は日本人に不足しやすく、冬はさらに不足しやすくなるといわれているんです。

この記事では冬にビタミンDが不足する原因と、その影響で起こる不調を解説します。

あわせて、冬のビタミンD不足を解消する方法もご紹介。

ビタミンDを味方にすれば、不調知らずの冬を過ごせますよ。ぜひご一読ください。

1. 冬は日光不足でビタミンDが不足する

ビタミンDは脂溶性ビタミンのひとつで、水溶性ビタミンのように尿から排出されないため、一般的には過剰症が心配される栄養素です。

しかし現代人のほとんどは、ビタミンDが不足しがち。

2023年に発表された論文では、東京都で健康診断を受けた5500人が対象の調査で、98%以上の人がビタミンD不足だったという結果が出ているんです。

また、ビタミンDは食べ物から取り入れる以外に、紫外線を浴びて皮膚で合成できる栄養素でもあります。

しかし寒い季節は日照時間が短くなり、皮膚のほとんどが衣服で覆われるため、ビタミンDの合成量が減少。

あわせて、外から取り入れるビタミンDの量が同じでも、夏に比べて冬は血液中のビタミンD濃度が低くなることもわかっています。

このように、冬はもともとのビタミンD不足とビタミンD合成量の減少が重なることで、多くの人がビタミンD不足になりやすい季節なのです。

ではビタミンDが不足すると、体にどのような不調が起こるのでしょうか。

2. ビタミンD不足で起こる主な不調

ビタミンDの主な働きは、カルシウムの吸収率を高めること。

そのためビタミンDが不足すると、骨の量が減ったり、骨がもろくなったりすることにつながります。

また近年は、ビタミンDが免疫力の維持と心の健康にも大きな影響を与えることが明らかになっているとのこと。

さまざまな研究で、ビタミンD不足が以下のような心身の不調につながると報告されています。

  • 風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなる
  • 感染症が悪化しやすくなる
  • 生活習慣病のリスクが高まる
  • 抑うつ症状が出やすくなる

また、女性の場合はビタミンD不足で妊娠中の高血圧や糖尿病のリスクが上がったり、胎児の体重に影響があらわれたりするという報告もあります。

3. 冬のビタミンD不足を解消する3つの方法

ビタミンDは骨だけでなく、私たちの健康をあらゆる面から支えてくれる栄養素です。

しかし現代では、ほとんどの人にビタミンDが足りていません。

そのため老若男女問わず、積極的にビタミンDを増やす意識をもつことが、健康への近道なのです。

ここからは、ビタミンD不足を解消するおすすめの方法を3つ紹介します。

3-1. ビタミンDが豊富な食材を食べる

現代人にビタミンDが不足する原因のひとつとして、魚を食べる習慣が減っていることが考えられます。

なぜなら、ビタミンDが豊富な食材は、魚介類に多いから。

魚には良質なタンパク質やオメガ3脂肪酸も含まれているため、ぜひ魚を食べる習慣を増やしましょう。

特にビタミンDが豊富な魚介類は、さけ、いわし、さんま、しらす干し、うなぎ、かれいなど。

調理がむずかしい場合は、缶詰の魚でもビタミンDが摂れます。

また魚介類以外では、卵やまいたけ、キクラゲなどきのこ類もビタミンDが豊富です。

できる範囲で少しずつ、ビタミンDが含まれる食材を取り入れていきましょう。

3-2. 外に出て日光を浴びる

皮膚でビタミンDを作るためには、外に出て日光を浴びることが必要不可欠です。

なぜならビタミンDを生成するために必要な光はUV-Bという紫外線で、UV-Bは窓ガラスや服を透過しないから。

つまり室内で日光を浴びても、皮膚でビタミンDの合成を促す効果はほとんど期待できないのです。

ここで気になるのが、紫外線による肌の健康への影響。

「日焼け止めはビタミンDの生成を阻害する」といわれてきましたが、近年は日焼け止めの使用とビタミンD不足は関係ないという報告も増えているんです。

日光を浴びることは、体内時計や自律神経を整えることにもつながります。

必要な場合は日焼け止めを使いつつ、ぜひ外に出て太陽の光を浴びましょう。

3-3. サプリメントを活用する

食材や紫外線で補えるビタミンD。

しかし生活スタイルによっては、どちらも取り入れるのがむずかしい場合がありますよね。

そんなときは、ビタミンDが含まれるサプリメントを活用するのもひとつの方法です。

ここで注意したいのはビタミンDの過剰摂取。

特に海外製のサプリメントには、1日の摂取目安量を超える量のビタミンDが含まれている場合もあります。

脂溶性ビタミンであるビタミンDは体内に蓄積されるため、過剰症を起こさないように、体調を確認しながら服用しましょう。

まずは1日当たり20~25µgを目安に、栄養機能食品やサプリメントも活用しながらビタミンDの摂取を習慣にしてみてください。

4. まとめ

現代人の多くに不足しており、冬の日光不足でさらに不足しやすくなるビタミンD。

ビタミンDには骨を強くするだけでなく、免疫力や心を安定させるホルモンのはたらきを高める効果があり、今や私たちの健康には欠かせません。 ぜひビタミンDを積極的に取り入れて、体の内側から心と体の健康を守っていきましょう!


【参考】
秋冬こそビタミンDを積極的に摂取したいワケ:季節のヘルスケア:日経Gooday(グッデイ)

感染症から生活習慣病の対策まで!最強の予防と呼ばれるビタミンDの新たな可能性|ビタミン免疫ラボ|株式会社DHC

免疫のスペシャリストが解説する!ビタミンDと免疫機能のメカニズム|ビタミン免疫ラボ|株式会社DHC

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