笑顔で心と体をすこやかに!作り笑いでも得られる驚きの効果

「笑う門には福来る」は『笑い声や笑顔があふれる家庭には、自然と幸福がやってくる』という意味のことわざです。

実は、この効果が科学的に証明されていることをご存じですか?

笑顔や笑うことには、脳や体を健康にするさまざまな良い効果が期待できるんです。

この記事では「笑顔」が脳や体に与える影響と、その効果を紹介します。

読み終えるころには、思わず口角を上げたくなりますよ。

1. 笑顔に期待できる5つの効果

笑顔と健康に関する研究が盛んになったのは、1970年代ごろから。

そして現在まで、笑顔と心身の健康については、世界中でさまざまな研究が行われています。

50年ほどで明らかになった、笑顔の主な効果は以下の5つ。

  • 健康寿命の延伸
  • 免疫力の向上
  • ストレスや痛みの軽減
  • 脳の活性化
  • 糖尿病や動脈硬化の予防・改善

ここからは笑顔に期待できる5つの効果を、もう少し詳しく紹介します。

1-1. 健康寿命の延伸

笑顔と生活習慣病・認知症に関する研究によると、日常生活でほとんど笑わない人は、以下のリスクが高まると明らかになっています。

  • 心筋梗塞や脳卒中の発症リスクが約1.5倍高い
  • 認知機能が約3.6倍低下しやすい
  • 要介護になるリスクが約1.4倍高い

これらの結果の裏を返せば、たくさん笑う人ほど生活習慣病や認知症になりにくく、介護のリスクも低くなるということ。

つまり、たくさん笑うことには、健康寿命を延ばす効果が期待できるのです。

【※健康寿命……健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のこと】

1-2. 免疫力の向上

笑顔は免疫をコントロールする脳の部位に働きかけ、免疫細胞のひとつである「NK細胞」を活発にすると考えられています。

NK細胞は、生まれたときから私たちの体に備わっている免疫のこと。

血液にのって全身を巡り、自ら進んで病原菌やがん細胞を退治してくれます。

笑顔の効果でNK細胞が活発になると、病気のもとになる異物を退治しやすくなるため、免疫力を高めることにつながるのです。

1-3. ストレスや痛みの軽減

笑顔には、自律神経のうち心を落ち着かせる副交感神経のはたらきを強め、不安や緊張を和らげる効果が期待されています。

また、笑うことで分泌される脳内ホルモンの「セロトニン」と「エンドルフィン」も、心にとっては重要なもの。

セロトニンは心を落ち着かせ、幸せな気持ちを感じやすくしてくれるホルモンです。

一方、脳内麻薬とも呼ばれる「エンドルフィン」には鎮痛効果があり、痛みを感じにくくしてくれる可能性があります。

1-4. 脳の活性化

笑顔には、脳のなかで記憶をつかさどる「海馬」を活性化させ、記憶力や思考力を向上させる効果が期待されています。

ほかにも、笑顔には脳のアルファ波を増やしたり、理性や意思を担当する大脳新皮質への血流を増やしたりする作用があるとのこと。

笑顔に期待できるこれらの効果やはたらきで、脳が活性化されると考えられています。

1-5. 糖尿病や動脈硬化の予防・改善

いくつかの研究では、笑顔が糖尿病や動脈硬化の改善に役立つ可能性が報告されています。

ひとつは、1日2時間のお笑い療法*を週に1回・10週間続けたところ、糖尿病の診断基準となる「ヘモグロビンA1c」の数値が改善したというもの。

別の研究では、お笑いのビデオを60分間見ることで、初期の動脈硬化で低下する「血管内皮機能」が改善すると明らかになっています。

2. 作り笑いでもOK!笑顔になる3つのコツ

笑顔に関する多くの研究では「心からの笑い」と「作り笑い」、どちらも同じ効果が得られると報告されています。

つまり心の状態に関係なく、「笑うこと」そのものが体に良い効果を与えてくれると明らかになっているんです。

しかし、普段あまり笑わない人ほど、笑顔になるのはむずかしいもの。

ここからは、作り笑いから始める笑顔のコツを3つ紹介します。

2-1. 1日1回、鏡の前で笑顔の習慣

笑顔を増やすためには、笑顔を作ることに慣れて、習慣化することが大切です。

まずは1日1回、鏡の前で笑顔を作ることから始めましょう。

例えば、

  • 朝起きて顔を洗ったあと
  • メイクする前
  • 身だしなみをチェックするとき

など、鏡を見るタイミングで両方の口角をぐっと上げる癖をつけると、笑顔が習慣化しやすくなります。

2-2. 笑顔のトレーニングで笑いやすい顔へ

「自分の笑顔がなんだかぎこちない」「うまく笑顔が作れない」という方には、笑顔のトレーニングがおすすめです。

笑顔は表情筋の動きが大切なので、顔の表情筋をほぐすことが、笑顔が作りやすさにつながります。

頬や口まわりの筋肉を意識しながら、「あいうえお」の口の動きをゆっくり大きくおこなってみてください。

筋肉がほぐれることで余計な力が抜けて、やわらかく自然な笑顔を作りやすくなりますよ。

2-3. 自分の「笑顔のツボ」リストを作る

作り笑いでも効果があるとはいえ「無理に笑顔を作りたくない」「何もないのに笑顔になれない」という気分のときもありますよね。

そんなときに備えて、自分が笑顔になれるもの・ことをリストアップしてみましょう。

  • 思わず笑った画像や動画
  • 大切な人の写真
  • 大好きなお菓子
  • 癒される場所
  • 没頭できる趣味

純粋に笑えるものでも良いですし、笑うための準備運動として、心をリラックスさせてニュートラルな状態にしてくれるものもおすすめですよ。

3. まとめ|自分も大切な人も笑顔で健康になろう!

「笑う門には福来る」のとおり、笑顔には人の心と体を健康に導き、幸せにするさまざまな効果が期待できます。

ときには「笑顔は百薬の長」と表現することがあるように、笑顔は副作用がない心身の特効薬です。

今このタイミングから口角をきゅっと上げて、自分自身に笑顔を処方してあげましょう!


【参考】

笑いと身体心理的健康・疾病との関連についての近年の研究動向

笑いの健康効果 | 健康長寿ネット

笑いの免疫機能・ストレスへの作用について | 健康長寿ネット

“笑い”がもたらす 健康効果 | カンタン健康生活習慣 | サワイ健康推進課