冬に疲れやすかったり、調子の悪い日が続いたりしていませんか？
心当たりがないのに起こるだるさや体調不良は、冬の「寒暖差」が原因かもしれません。
季節の変わり目、朝と晩、室内と屋外……冬はあらゆる場所で気温差が大きい季節。
そんな気温差が、私たちの体を疲れやすくしているんです。
この記事では冬の寒暖差疲労について、具体的な原因と症状、いますぐできる対策を解説します。
目次
1. 冬に気をつけたい「寒暖差疲労」とは
「寒暖差疲労」とは、急激な気温の変化で自律神経のバランスが乱れ、体に疲れがたまることをいいます。
自律神経の乱れからくる疲労は臓器に負担がかかるため、体の内側からの不調が起こりやすい点が特徴です。
続いて、寒暖差疲労が起こるメカニズムと、あらわれる症状を解説します。
1-1. 寒暖差疲労が起こるメカニズム
寒暖差で自律神経が乱れるのは、自律神経に体温を調節するはたらきがあるから。
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の二つからなっており、体にとってアクセルとブレーキのようなはたらきをしています。
例えば、体温を上げるときにはたらくのは交感神経で、体温を下げるときにはたらくのは副交感神経です。
逆のはたらきをもつ二つの神経は、本来であれば体に必要なタイミングで、徐々にはたらきを切り替えるもの。
しかし過ごす場所の気温差が大きいと、体を適応させるために、自律神経のはたらきが急激に入れ替わります。
自動車で急発進と急ブレーキを繰り返したら、内部に負担がかかりますよね。
それと同じように、急激な自律神経の入れ替わりは臓器に負担をかけるため、さまざまな不調を引き起こしてしまうのです。
1-2. 寒暖差疲労で起こる症状
寒暖差疲労がたまると、体には以下のような症状があらわれます。
- 頭痛、肩こり、腰痛
- めまい、睡眠不足
- 食欲減退、便のトラブル
- からだの冷えやむくみ
このほかに不安やイライラ、気分の落ち込みなど、心の不調があらわれる場合もあります。
2. あなたは大丈夫？寒暖差疲労セルフチェック
寒暖差疲労の主な原因は、自律神経の乱れです。
そのため、日ごろの生活で自律神経が乱れやすくなっていると、寒暖差疲労も起こりやすくなってしまいます。
以下に、自律神経が乱れやすい要因をまとめました。
- 長時間の労働
- 慢性的な睡眠不足
- 不規則な睡眠リズム
- 月経や年齢によるホルモンバランスの乱れ
- 運動不足
- 食事時間や食事バランスの乱れ
- 人間関係や責任によるストレス
- 環境の変化によるストレス
当てはまる項目が多い方は、自律神経に負担がかかっており、気温差の影響を受けて寒暖差疲労が起きやすい状態になっています。
寒暖差疲労が起こる前に、予防・改善のための対策を実践しましょう。
3. 寒暖差疲労を予防・改善する3つの対策
寒暖差疲労を予防・改善するためには、「いかに自律神経のバランスを保つか」が大切です。
ここからは、自律神経にはたらきかけて寒暖差疲労を予防・改善する3つの対策を紹介します。
3-1. 首を温めてストレッチする
首は皮膚の近くに太い血管があり、自律神経も集まっているため、その両方が大きな影響を受けやすい部分です。
ホットタオルやカイロ、ネックウォーマーなどで首を温めることで、血流が促され自律神経のバランスが整いやすくなります。
また首を温めるときは、軽いストレッチもあわせておこなってみましょう。
首まわりの筋肉をほぐすことで、血流が良い状態を保ちやすくなりますよ。
3-2. こまめに体を動かす
ゆっくりと呼吸をしながらおこなう運動は、血流を促すことで体が温まり、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。
しかし寒い冬は、体を動かすのがおっくうになる方も多いのではないでしょうか。
嫌な気持ちで運動してストレスをためてしまっては、かえって自律神経によくありません。
そこでおすすめする方法が「日常生活にちょっとした運動を増やす」ことです。
例えば、
- 歩いて買い物に行く
- 一駅手前で降りて歩く
- 階段を使う
- いつもより丁寧に掃除する
- 30分に1回は立ち上がって少し歩く
- テレビ視聴や家事をしながら軽くストレッチする
など、普段の生活のなかで体を動かす機会を増やすだけでも、自律神経を整える効果が期待できるといわれています。
3-3. 入浴で体を温める
お風呂は体を温めて、自律神経を整える絶好のチャンスです。
41度以下の湯船に10〜20分ほど浸かることで、体が芯から温まり、副交感神経がはたらいて自律神経が整いやすくなります。
このとき熱すぎるお湯に浸かってしまうと、交感神経がはたらいて緊張状態になってしまうので要注意です。
また湯船に浸かる時間が取れないときは、温かいシャワーを首に数分間あてるだけでも、血流が促されて自律神経を整える効果が期待できますよ。
4. まとめ｜自律神経を整えて寒暖差に負けない冬をすごそう！
過ごす環境の気温差で自律神経のバランスが乱れ、体に不調があらわれる「寒暖差疲労」。
寒暖差疲労を防ぐためには、自律神経が乱れやすい生活を見直しつつ、自律神経を整える習慣を取り入れることが大切です。
首の温めや入浴など、できるところから取り組んで、寒暖差疲労に負けない冬を過ごしましょう。
【参考】
“自律神経”の重要な働きとは？ ストレスや加齢との関係も解説｜くすりと健康の情報局
その疲れ、「寒暖差疲労」かも？～ 症状別の対策で、”寒暖リズム”の新習慣を ～ | ニュースリリース | 小林製薬株式会社
そのだるさ 寒暖差疲労？症状や治し方 首回りのケアが有効 | NHK