
2024年9月17日(火)は、「中秋の名月」です。
「中秋の名月」は日本に古くから伝わる秋の風習として知られます。
日頃の喧騒を忘れ、美しい月を眺めてみませんか?遠く輝く月の光に目も心もリラックスできるに違いありません。
また、見上げた月が変わった見え方をしたら要注意!
月の見え方別に、注意したい目の症状もあわせて紹介します。
目次
1. 中秋の名月と「十五夜」の由来

中秋の名月とは、旧暦の8月15日の夜に見える月を指す言葉です。
旧暦は別名「太陰太陽暦」とも呼ばれ、月の満ち欠けをもとに日付を決めており、新月の日が月の始めとされていました。
新月から満月までの期間は、およそ15日。
中秋の名月が別名「十五夜」と呼ばれているのは、満月の日が旧暦で「15日の夜」だったことに由来しています。
2. 中国から伝わった「中秋の名月」

現代まで残る「中秋の名月」を愛でる習慣が伝わったのは、平安時代のこと。
遣唐使によって中国の「中秋節」が日本に伝わり、貴族たちの間に広まったと言われています。
平安時代の貴族は中秋の名月に「観月の宴」を催して、
- 水面に映った月を眺める「舟遊び」
- 和歌を詠んだり楽器を演奏したりする「詩歌管弦」
などを楽しんでいたのだそうです。
江戸時代には庶民の間にも「中秋の名月」が広まり、今の私たちが知るお月見の文化が根付いていきました。
3. 中秋の名月の慣わし|ススキや月見団子の意味

中秋の名月といえば、月見団子やススキなどを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
このお供えや飾りには、それぞれ意味が込められています。
3-1. 月見団子|芋から団子へ
中国の中秋節では、月餅を食べるのが定番です。
一方、日本ではその時期に収穫を迎える芋類や豆類、特に里芋をお供えするのが一般的でした。
そのため中秋の名月には、「芋名月」という別名もあるのですよ。
現代で月見団子をお供えする理由は、里芋から転じて、丸い形を模した団子を用意するようになったのではないかという説があります。
また月見団子は地域によって形が異なり、主に近畿地方ではしずく型の団子にあんを巻きつけた月見団子も知られています。
これは里芋を皮付きのまま蒸した料理「衣被」を、中秋の名月にお供えしていた名残なのだそうです。
3-2. ススキ|魔除け・神様の依代
お月見の定番飾りであるススキには、魔除けや神様の依代(神様が依りどころとするもの)としての意味が込められています。
古くから神様へのお供えや依代としては、米や稲穂を使うのが一般的です。
しかし中秋の名月は、時期的に稲穂が用意できません。
そのため、稲穂に形が似ており神聖な意味を持つススキで代用したことが、ススキを飾る風習の始まりだとされています。
4. あわせて見ると縁起が良い「十三夜」

秋の月見といえば「中秋の名月」ですが、実は「十三夜」「後の名月」というものがあることをご存じですか?
これは旧暦で9月13日の夜と、その夜に見える月のこと。
現代では習慣が薄れていますが、かつては中秋の名月(十五夜)だけでなく、後の名月(十三夜)にも月見をする習慣が大切にされていたのです。
これは日本独自の風習で、その時期に収穫を迎える栗や豆を備えることから、「栗名月」「豆明月」とも呼ばれています。
また十五夜と十三夜、どちらかの月しか見ないことは「片月見」と呼ばれ、縁起が良くないことなのだそう。
お月見をするときは、ぜひ十三夜にもお忘れなく!
5. 月の見え方がおかしいときは目の異常に要注意

空に浮かぶ立派な月を見ていたら、なんだか月が霞んで見えたり、二重に見えたり……。
月の見え方は、目の異常に気づくためのサインになります。
主な見え方の異常と対処法を、以下にまとめました。
5-1. ケース① 月にピントが合わない
そもそも月と地表の間にはかなりの距離があるため、ピントが合いづらい現象は、視力の良さや目の状態にかかわらず起こり得ます。
「月にピントが合わない」もしくは「ピントが合いづらい」だけならば、気にしすぎる必要はありません。
5-2. ケース② 月が二つ重なってブレたように見える
月が二つ重なってブレたように見えるときは、近視・遠視・乱視などが原因です。
普段の生活で支障がなければ、気にしすぎる必要はありません。
ただし、
- 日常的に目の見えづらさがある
- 目の疲れが溜まりやすい
などが気になる場合は、メガネやコンタクトレンズで矯正しましょう。
5-3. ケース③ 月が二つに分かれて見える
月が完全に二つに見えたり、片目ではひとつなのに両目では二つに見えたりする場合は、目になんらかの異常があるサインです。
角膜や網膜、目の動きの悪さが原因になっている可能性があります。
この症状に当てはまる場合は、早めに眼科を受診しましょう。
6. まとめ|月を見上げて目を労わろう
日本でも1000年以上の歴史がある中秋の名月。
スマートフォンやテレビ、パソコンなど手元を見つめがちな現代ですが、今夜は視線を空に移して、月を見上げてみませんか?
【参考】
中秋の名月(2023年9月) | 国立天文台(NAOJ)
第五十三回 観月行事|京都ツウのススメ|おでかけナビ|沿線おでかけ情報(おけいはん.ねっと)|京阪電気鉄道株式会社
中秋の名月と目の関係|片桐眼科クリニック