秋の代表的な味覚『鮭』。
朱色の身が美しい鮭ですが、実は白身魚に分類されることをご存じでしたか?
鮭の身が朱色に見える理由は、『アスタキサンチン』という成分が豊富に含まれているから。このアスタキサンチン、体を若々しく保つためにあらゆる働きをしてくれるんです。
今回はアスタキサンチンの働きと期待できる効果を紹介します。
1. アスタキサンチンってなに?
アスタキサンチンとは、赤色の天然色素であるカロテノイドの一種で、主に鮭やエビ、カニなどに含まれています。
トマトに含まれるリコピンや、人参に含まれるβ-カロテンも同じカロテノイドの仲間です。
カロテノイドは、体内の活性酸素を除去する『抗酸化作用』がある成分。
そのなかでもアスタキサンチンは、ひときわ抗酸化力が強いと注目されています。
またアスタキサンチンは脂溶性なので、油分と一緒に摂ると吸収率を高める効果が期待できますよ。
2.細胞を守るアスタキサンチン
アスタキサンチンは、抗酸化力があるカロテノイドのなかでも『スーパーカロテノイド』と呼ばれています。
その理由は、アスタキサンチンが強い抗酸化力で細胞を守ってくれるから。
細胞を包む細胞膜は、体内で最も活性酸素の標的になりやすく、攻撃を受け続けるとがん化する可能性もあります。
カロテノイドの仲間であるβ-カロテンは、そんな活性酸素の攻撃に対して“細胞膜の中心”から対抗。
一方でアスタキサンチンは、“細胞膜の表面と中心”で活性酸素に対抗します。
実は、アスタキサンチンのように細胞膜全体で働く成分はとても特殊なんです。
より広い範囲で細胞を酸化から守るので、アスタキサンチンは『スーパーカロテノイド』と呼ばれているんですよ。
3. アスタキサンチンのうれしい効果5選
細胞を酸化から守るアスタキサンチンは、私たちの体にどんな効果をもたらしてくれるのでしょうか。
ここでは、主に期待できるアスタキサンチンの効果を5つご紹介します。
- 眼精疲労の回復
- 目のトラブル予防
- 脳の老化を抑制
- 高血圧の予防
- 肌の弾力維持・シワ予防
アスタキサンチンの優れた抗酸化力は、「若返りビタミン」と呼ばれているビタミンEの約550倍。
脳の老化や高血圧など、活性酸素が原因のひとつとなって起こる症状には、高い効果が期待できます。
またアスタキサンチンは、特に紫外線からのダメージに有効です。
アスタキサンチンが持っている抗酸化力は、紫外線で発生する活性酸素(一重項酸素)に対して最も効果が高いと言われています。
そのため、紫外線が原因で起こる目のトラブル(白内障、ぶどう膜炎)や、肌の老化を予防する効果が期待できるのです。
4. アスタキサンチンが目や脳に効く秘密
目や脳により良い効果が期待できる、アスタキサンチンの秘密。
それは『目と脳に直接届く』という特徴にあります。
脳と目は、体にとって重要な部位。そのため、不要な物質が入ってこないよう、入り口がフィルター*で守られています。
このフィルターは、一般的な抗酸化物質*でさえ通過できない厳重なもの。
しかしアスタキサンチンは例外で、厳重なフィルターを通過して、脳や目に直接届いてくれるんです。
脳や目のトラブルから体を守るためにも、アスタキサンチンを積極的に摂り入れてみませんか?
(*1 ビタミンE、β-カロテンなど)
(*2 血液脳関門、血液網膜関門)
まとめ
鮭や甲殻類に含まれるアスタキサンチンは、強力な抗酸化作用を持っている成分です。
ほかの抗酸化物質が到達できない脳や目に直接届く特徴があるため、脳の老化や目のトラブルなどを予防・改善する効果が期待できます。
海の幸を美味しく食べながら、アスタキサンチンで脳や目をケアしてみませんか?
【参考記事】
食欲の秋が到来!鮭の栄養素「アスタキサンチン」の働きとは
老化防止が期待されるアスタキサンチンの効果・効能について解説
アスタキサンチンの効果・効能
わかさの秘密 アスタキサンチン