私たちは、パソコンやスマートフォンなど多くのVDT機器(※1)から情報を得ているため、目を酷使する機会が増えています。
※1.VDT機器=ビジュアル ディスプレイ ターミナルの略 パソコンや携帯電話、テレビゲームなどディスプレイ表示のある機器
その結果、目の疲れや痛み、視力低下、色が変わって見えるなどの視覚機能異常が現れることがあります。さらに、視覚機能異常は、うつ病など心に影響を及ぼす場合があるといわれています。
目のピントを調整する筋肉、毛様体の働きは、自律神経によりコントロールされています。長時間にわたって、近くのVDT機器の画面にピントを合わせ続けていると、自律神経のバランスが乱れ、視覚機能に異常をきたすのです。
さらに、目のピントが合いにくくなることにより、イライラしたり、集中できない、眠気やだるさ、うつ病などの精神的症状を起こしてしまうのです。
私たちの身体や精神の健康に大きく影響を及ぼすVDT症候群の症状が顕著に現れるのが「目の疲れ・痛み」です。【下図参照】
そして、この症状を引き起こす原因となるのが「ドライアイ」です。
通常、目はまばたきをすることによって目の表面が潤い、酸素や栄養分が補給されています。
ところが、集中して画面を凝視していると、まばたきの回数が普段の約4分の1にまで減ってしまいます。
まばたきが減ると表面の涙が蒸発し、潤いがなくなるため刺激を受けやすくなります。すると角膜に異常が生じ、目の充血や疲れなど、ドライアイの症状を引き起こしてしまうのです。
そして、ドライアイになると目の表面がデコボコになり光が正しく入らないため、見えづらく感じるようになります。
物が見えづらくなると、余計に目が疲れ、眼精疲労(慢性的な目の疲れや痛み)が起き、心身に不調が現れるという悪循環に陥ってしまいます。
不調の悪循環を防ぐためにも、VDT機器を使用する際には、意識的にまばたきをすることや、目を乾燥から守るために室内の環境を整えるなど、目の疲れを軽減し、視覚機能が正常に働くようにすることが大切です。
次回は、疲れ目におすすめ。毎日できる簡単セルフケアを紹介します♪
参考:『若々』2021年7月号