ある夏の日、あまりに暑いので紫々丸くんは川のそばにある木陰でお昼寝。森の木々を抜けてそよぐ風を心地よく感じていると、何やら声がしてきた。
「ブルブルくんとアイアイちゃんだな」
ブルブルくんとアイアイちゃんは、楽しそうにダンスをしてはしゃいでいる。
「こんなに暑いのによくダンスできるね」
「何言うてんねん!ボクはお日様浴びてアントシアニンパワーを蓄えているんやで!」
「そうなの?」
「そや!アイアイちゃんもボクも夏が一番好きやねん。なぁアイアイちゃん」
ブルブルくんとアイアイちゃんはクルクルと回ったり、川面を大きく飛び跳ねたり、とっても軽やかにダンスをしている。
水面にはキラキラと小さな水しぶきが光って、虹が見えた。紫々丸くんはその水しぶきを気持ちよさそうに浴びる。
「ブルブルくん、アイアイちゃんもっと川の上で踊って!天然のミストシャワーがとっても冷たくて気持ちいい!」
「よっしゃ!そしたら、これでどうや!アントシアニンパワー!!!」
ブルブルくんがすごい勢いで回りだしたと同時に、大量の水しぶきが紫々丸くんを襲った。あっという間に水びたしになった紫々丸くん。
「ブルブルくん、ありがとう。とっても涼しくなったよ…」
フワフワだった毛はぺったんこ。なんとも貧相な姿になってしまった紫々丸くん。その姿をみたアイアイちゃんは、必死に笑いをこらえていた。
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