「そや、冒険の旅にでよう!危険を乗り越えて手に入れる宝物!ボクに足りひんかったのは、それや!」
映画インディージョンズを観たブルブルくんはすっかりテンションがあがっています。
インディーのようなハットをかぶり、肩にはロープをかけ、アイアイちゃんたちに別れを告げるため森の中央広場に向かいました。
「ほな、行ってくるわ!みんな宝物を楽しみに待っててや!」
「大丈夫かな~」
意気揚々と宝物探しに行くというブルブルくんをみんなは心配そうに見送ります。
ブルブルくんは、船に乗り込み大海原へ。
海は嵐で大荒れ。ものすごい風が吹き荒れ、昼だというのにまるで夜のように暗い日が 3 日も続きました。
「あかん、お日様もでえへんしアントシアニンパワーも使えへん。今頃、森のみんなは何してるんやろな。ボクのこと心配してるんやろな」
ようやく大陸に着いたときには、すっかりクタクタ。冒険どころではありません。大陸では水も森もなく、大きな鳥に襲われそうになったり、大蛇に睨まれたり。 すっかり元気をなくしたブルブルくんが、思い出すのは皆んなのことばかりです。
「冒険は終わりや!宝探しももうええ!やっぱり森に帰ろう!」
「アントシアニンパーワー」と叫ぶとブルブルくんは最後の力を振り絞り、皆んなの待つ森を目指しました。
来た時と同じように嵐の海を乗り越え、歩き続けると見慣れた光景が。
「ただいま」とつぶやくとブルブルくんは気を失ってしまいました。
どれほど眠り続けたでしょうか。
「目が覚めたのね!よかったわ!」
「心配したばい!」
「ブルブルくんが無事に戻ってきてくれて嬉しいよ~」
ブルブルくんがそーっと目を開くと、アイアイちゃん、カタグリくん、紫々丸くんが心配そうに覗きこんでいます。
「ボクの宝物はこんな近くにあったんだ……」
とブルブルくんは溢れる涙がこらえきれず、声を上げて泣き出してしまいました。
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