今日も快晴。
青い空に、綿菓子のような白い雲が流れていく。
森の中央広場にある大きなどんぐりの木の枝につられたブランコの下で、カタグリくんが得意げに仁王立ちしている。
そこへやってきたブルブルくんとアイアイちゃん。
「オイラが作ったんだぞ~。ブルブルくんも乗りたいか?」
「すごいやん!乗っていいの?乗る乗る!」
ブランコに乗ると、カタグリくんが後ろから思い切り押す。
ブルブルくんは、ブランコのロープをしっかり握りしめて大きく前後にこぎ始めた。
ブランコは空に届きそうなくらいに揺れている。
「ブルブルくん、大丈夫?ちょっと大きく揺らしすぎよ。怖くないの?」
心配そうにアイアイちゃんが見つめる。
「大丈夫やで~。心配ないって!」
それを見ていたカタグリくんが、急にブルブルくんのブランコが揺れるのを止めた。
「カタグリくん。急に止めたら危ないやん!」
「オイラならもっと高くまで漕げるぞ!アイアイちゃん見てて」
カタグリくんは、トンとブランコに飛び乗り立ち漕ぎで大きく揺らし始めた。
ブランコはあっという間に空に届きそうになり、それと同時にカタグリくんの体も大きく前後に揺れている。
「カタグリくん、さすがにそれは危ないって!」
「そうよ、危ないわ」
「アイアイちゃん見るばい!オイラのほうがすごいぞ!」
二人が心配そうに見ているのを確認すると、カタグリくんはさらに勢いをつけた。
危ない!その瞬間、ブランコが大きく一回転したかと思うと、カタグリくんの手がロープから離れ体が宙を舞った。
「キャー」アイアイちゃんが手で顔を覆う。
そーっと目をあけると、ずっと先の木の枝にひっかかるカタグリくんがユラユラと揺れながらバツ悪そうに笑っていた。
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