ハートのイヤリング

作者:田中 由香里

森の広場でアイアイちゃんと久しぶりのダンス。

相変わらずアイアイちゃんのダンスは素敵。体を動かす度にハートのイヤリングがキラキラと揺れてとてもかわいい。

「あれ?ないない!お気に入りのイヤリングがない!」

アイアイちゃんが失くしたイヤリングを10.0の自慢の視力で見つけてあげようと思ったのに…なんだか目がスッキリしない。

「なんでや!こんなんすぐ見つけられるはずやのに!最近目がかすんでよくみえへん…

もしかして、目が疲れてるんかな?夕べも、遅くまで花鈴のマウンドを夢中で読んだからかな?」

「いいのブルブルくん、気にしないで。残念だけど、見つけるのは無理だよ。今日はこれで帰るね。また、ダンスしようね」

悲しそうにアイアイちゃんが森に消えていった。

近くばかりみていると、目が疲れるということを思い出したブルブルくん。

遠くの山を見てリラックス。

両手をまっすぐ前に伸ばして、瞳を右左に。

そのあと遠くと近くを交互に見て、さらに瞳をぐるっとゆっくり回す。

「あ~なんかスッキリした!これでもうしっかり見えるぞー」

森の中をキョロキョロすると、キラッと光るものが。

「きっと、あれや!」

ブルブルくんは、葉っぱのあいだで光るものに近づくと、そこにはかわいいハートのイヤリングが。

「すぐにもっていてあげよう!アイアイちゃんの喜ぶ顔が目に浮かぶわー」

そう呟きながらブルブルくんは弾むように森の奥へ消えていった。

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