サンタベリーの妖精アイアイちゃんは、生まれたときからお目めパッチリで、とても可愛い女の子でした。
「アイアイちゃん、なんて可愛いの」
「アイアイちゃん、これあげる」
「アイアイちゃん、アイアイちゃん」
生まれながらの美貌と、レスベラトロールビームというみんなを虜にする魔法の力もあり、小さな頃からまわりにちやほやされるのが当たり前になっているアイアイちゃん。
「わたし、これが欲しいわ」
「ボクが取ってきてあげる!」
「わたし、これが食べたい」
「ボクが作るよ!」
アイアイちゃんにメロメロなみんなは、アイアイちゃんの言うことを何でも聞いてくれます。
「ふふふ、みんな優しいのねー」
そんなある日、ダンスの得意なアイアイちゃんは森のダンスコンテストに出場します。
「わたしのレスベラトロールビームでみんなはメロメロ。優勝間違いなしね♪」ところが、優勝したのはなんと、ラズベリーの妖精でした。
「な、なんで??わたしよりぜんぜん美人じゃないのに・・・」ショックでワナワナと震えるアイアイちゃん。
「あなたは自分がちやほやされているのをいいことに、ダンスの練習をおろそかにしたんじゃないの?あの子は血のにじむような努力を毎日しているわ」
背後から審査員のダンスの先生がアイアイちゃんに声をかけました。
イタイところをつかれ、言葉に詰まるアイアイちゃん。
「あなたはとてもいい素質をもっているんだから、しっかり実力を磨きなさい。」
アイアイちゃんは悔し涙をぬぐい、それからというもの、猛烈にダンスに打ち込みました。
そうして今では森一番の魅力的なダンサーに成長したアイアイちゃん。
「アイアイちゃーん、ボク、ブルブルくん。き、きみと一緒にダンスがしたいんや!」
レスベラトロールビームを使わなくても、今日もみんなをメロメロにしているアイアイちゃんなのでした。
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