ある夜のこと。
帰りが遅くなったアイアイちゃんが夜道を一人で歩いています。
「ふぅ。すっかり暗くなってしまったわ。早く帰らなくちゃ」
誰かと一緒に帰ればよかったかも…と不安になるアイアイちゃん。
少しでも早く家に帰ろうと、いつもは通らない近道を選んでしまったことを後悔し始めていました。普段なら白樺の隙間から月明りが届くのに、今日は暗くてなんだか不気味なのです。
タッタッタッタ… ッタッタッタッタ…
「え?」
……………
タッタッタッタ… ッタッタッタッタ…
「やっぱり聞こえる」
……………
アイアイちゃんが歩くと足音が重なって聞こえ、止まると足音も消えます。ダダダッ!!
「キャーーーーーッ!」
怖さのあまり叫びながら走り出したその時
「まって!まって!!」
「えっ?ブルブルくん?」
「やっぱりアイアイちゃんやった」
「怖がらせないでよ!何でここにいるの?」
「いや、今日は月が隠れて暗いから、パトロールを頼まれてん」
「パトロール?」
「そうや。ボクの目は夜でも遠くまで見えるからな。で、足音が聞えたし危ないから声かけようとしたら、いきなり叫ぶからビックリしたわ」
「だって、怖かったんだもん」
「今度から明るいうちに帰らなあかんで。ほな、家まで送っていくわ」
「ありがとう。ブルブルくん」
頼りになるブルブルくんがいてくれて、アイアイちゃんは安心して帰れたのでした。
あなたの作品も投稿してみませんか?
応募はこちら