ブルブルくんのパトロール♪

2024-09-11
作者:戸田 友里

「あー雨が止みそうもないなぁ。これじゃあ試合ができないよ…」

カタグリくんは窓の外を見て、大好きな野球ができないことにがっかりした。春の大会が近く、隣街のチームとの練習試合を楽しみにしていたのだ。

退屈しのぎに始めたゲームは、「30 分だけ」と決めた約束を忘れて、あっというまに1時間が過ぎようとしていた。

その時……

「コラ!ゲームしすぎ!」

と、聞こえたと同時に、スマホの画面にブルブルくんが現れた。

「えっ、なに?」

「おどろかせてゴメン。キミたち子どもの目を守るためにパトロール中なんや」

「パトロール?」

「そう。カタグリくん、ゲームやり過ぎやで」

「だって雨で試合ができないんだもん……」

「だからってスマホばっかり見てたら、目が疲れてしもて、ほんまに野球やる時に上手いこと目を使えへんかもよ。ゲームはほどほどにして、目のトレーニングしよか~」

「目のトレーニング?」

「そうや。トレーニングを続けたら速いボールも止まって見えるようになるかもしれへんで」

「またまた~」

「あっ、ウソちゃうよ。ま、ボールが止まって…は大げさかもしれんけど、プロ野球選手も目のトレーニングやってるんやから」

「ほんと?じゃオイラもやる!」

「じゃ、まずは親指を立てて…」

カタグリくんはブルブルくんから目の体操を教えてもらった。

だんだん目がスッキリしてきて、速いボールが見えそうな気がした。

それからカタグリくんはブルブルくんに教えてもらった目のトレーニングを続けることにした。スマホにはプロ野球選手が目のトレーニングをしている動画が映っている。

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