ボクだけ収穫するものがない

作者:戸田 友里

今日は収穫祭。

紫々丸くんが森に行くと、すでに広場はにぎわっています。

「あっ、紫々丸くん!これオイラが作ったパン。食べて食べて~」

木の実の妖精、カタグリくんは、砕いた木の実をたっぷり練り込んだパンを紫々丸くんに渡します。

「カタグリくん。ありがとう!とっても香ばしくて美味しそうだよ」

「あら、紫々丸くん。サンタベリーのジュースを飲んで。とっても美味しくてお肌にいいのよ」

今度はアイアイちゃんがレスベラトロールのたっぷり入った真っ赤なサンタベリーのジュースを渡します。

「ありがとうアイアイちゃん。ボクの毛並みにも良さそうだね」

「おっ、紫々丸くんやんか。ブルーベリーを使ったお菓子は、今食べとかな後悔すんでー」ブルブルくんがアントシアニンたっぷりのブルーベリーを使った、チョコやケーキを渡します。

「ありがとう。アントシアニンパワーで元気がでるよ」

紫々丸くんはみんなからもらったもので両手いっぱい。嬉しい気持ちで心もいっぱいになりました。

「ボクにはみんなみたいに収穫するものがないからなあ……あっ!」次の日、紫々丸くんはみんなにプレゼントを持ってきました。

カタグリくんにはマフラーを。アイアイちゃんには手袋を。ブルブルくんには帽子を。

紫々丸くんのフワフワでとびきり温かいハッピーウールで編んだそれらは、みんなの心と体を温めて、これから来る長くて寒い冬を過ごすのにとても大切なものになりました。

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