あふれる想い

作者:戸田 友里

北欧の森。

今年もブルーベリーの木にたくさんの紫色の実がなりました。ブルブルくんが何粒か手に取ってパクッと食べてみました。

「あれ?今年はなんか実の色も味も薄い気がする。このままやったらあかんわ。なんとかせな」ブルブルくんは美味しくなる秘密を知るために、森に出かけることにしました。

ブルブルくんは森に行き、ブルーベリーを美味しくするヒントを教えてもらうことにしました。まず湖に向かいました。

「ブルーベリーが美味しくなるヒントを教えてくれへん?」湖の精霊が言いました。

「透き通ったキレイなお水が実をみずみずしくするんだよ」

次は太陽に向かって聞きました。

「ブルーベリーが美味しくなるには何が大切なん?」太陽の精霊が言いました。

「太陽の熱が実を甘くするんだよ」

最後にキレイな紫色をもつ虹に向かって聞きました。

「ブルーベリーが美味しくなるために何があればいいの?」虹の精霊が言いました。

「空から降り注ぐ光がキレイな紫色にするんだよ」

ブルブルくんは

「自然が与えてくれる力がギュッと詰まったブルーベリーだから美味しくなって、皆を健康にするんだ」

だからこそ皆に甘くて瑞々しい紫の実を食べて欲しい!どんどんその想いが強くなり……

「アントシアニンパワー!」そう叫んでいました。

ブルブルくんの愛がつまった光が広い森一面に降り注ぎ、今までで一番甘くて美味しい実が皆を幸せにしましたとさ。

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