ブルブルくんの想い

作者:戸田 友里

「う…ん…」

「アイアイちゃん、大丈夫か」

ブルブルくんは、何日も熱が下がらず意識が朦朧としている様子のアイアイちゃんが心配でたまりません。

「そうや!森に熱を下げる薬草があるって聞いたことがある!」

「アイアイちゃん、ちょっと待っててな。必ず見つけてくるから」そう言ってブルブルくんは飛び出していきました。

冬の森は暗くて薬草がどこにあるのかわかりません。

「絶対見つけるからな、アイアイちゃん!」

「アントシアニンパワー!」

ブルブルくんは何度も光を発して薬草を探します。

その頃、お見舞いに来たカタグリくんと紫々丸くんは、アイアイちゃんからブルブルくんが森に行ったことを聞きます。

「薬草を探しにいくとか言って…」

二人は驚きました。外は真っ暗で、すっかり冷え切っているのです。急いでブルブルくんを探しに行くことにしました。

しかし、広い森のどこを探せばよいか二人にもわかりません。

……と辺りを見回していた時、森の先にぼんやりと光っているところを見つけました。

「きっとあそこだよ」

2 人は走り出しました。

そこには、手に薬草を持ったブルブルくんが倒れていました。

「オイラが連れて帰るよ」

カタグリくんがブルブルくんをかつぎ、急いで家に戻りました。紫々丸くんが早速、薬草を煎じます。

ブルブルくんが見つけた薬草のおかげでアイアイちゃんの熱はすぐに下がり、ブルブルくんも今はすっかり元気になりました。

あの日ブルブルくんが光っていたのは、薬草をとどけたいという強い想いだったのかもしれませんね。

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