冬のある日
ブルブルくんはアイアイちゃんとカタグリくんと一緒に部屋で遊んでいました。
「ねぇ、なんか寒いと思ったら雪が降り出してきたわ」
「ボク夏生まれやから寒いの苦手やねん」 体を震わせながらブルブルくんが言います。
「オイラこれくらいなら平気だよ」ひとり強がるカタグリくん。
しかし、今日は三人がいる部屋の暖炉には火が着いていません。
暖炉に火を焚べるすべを知っているのは、物知りな紫々丸くんだけです。紫々丸くんは、大事な用事があって、今日は少し遅くなるみたいです。
「だいぶ寒くなってきたなぁ」不安げにブルブルくんが言うと
「オ、オイラ、へ、平気だよ……」 カタグリくんの声も震えだしました。
アイアイちゃんはずっと元気がありません。
「よし、あったかくなるもの探してくるわ。アイアイちゃんちょっと待っててな」
「オイラも一緒に探すよ」
二人はなんとかベッドルームで見つけた毛布を持って、アイアイちゃんのところに戻ります。
「アイアイちゃん!とりあえずこれにくるまって、紫々丸くんを待とう!」
「二人ともありがとう」
「ごめんね〜。雪が降ってきたせいで遅くなっちゃったよ。」そう言いながら紫々丸くんが部屋に入ると
火の着いていない暖炉の前で三人が毛布にくるまって眠っていました。
「さ、寒い!よし、すぐ暖かくしてあげるからね」
「う〜ん……。なんかいい匂いがする」
「あ、いつの間にか眠ってたんやな。ん、この匂いは…」
暖炉には火が着き、部屋にはサーモンスープの美味しそうな匂いが漂っています。
紫々丸くんの大事な用事って、みんなにこのスープを作って持ってくることだったんですって。体も心もとびきり温かくなった三人でした。
あなたの作品も投稿してみませんか?
応募はこちら