本当の鬼

2024-01-31
作者:正田 由香里

2月3日節分の日、ブルブルくんとカタグリくんは、森で遊んでいました。

「今日は節分だね、カタグリくん」

「恵方巻きいっぱい食べるぞー」

「あはは、今年は東北東を向いて食べるんやで。その前にさ、豆まきしーひん?」

「いいよー。食べる分は残しとかないとね」

食べることしか考えていないカタグリくんでしたが、2人で仲良く豆を買いにいきました。

「準備もできたし、アイアイちゃんと紫々丸くんを呼んで、豆まき大会しよう!」

まず紫々丸くんを呼び、続いてアイアイちゃんの家に着きました。

「「アイアイちゃーん」」

ガチャっとドアが開きました。

すると出てきたのはアイアイちゃんではなく、顔が白く目がぎょろっとした不気味な化け物でした。

それに驚いたみんなは、本物の鬼が出てきたと思い、慌てふためきました。

「ぎゃー、もしかして鬼!????」

「うわああ、本物の鬼がいるー!鬼は外!鬼は外!」

「こわいよーこわいよー」

みんなで必死に買ってきた豆をぶつけました。

「ちょっと痛いわ、やめて!」

「ん?どっかで聞いたことある声だな」

ブルブルくんたちは手を止めました。

「私よ、私!」

「この声はアイアイちゃん…?」

白いものをはぎ、出てきた顔はアイアイちゃんでした。

なんとパックをしていたのでした。

「もうすぐバレンタインだから肌の手入れをしていたのよ!なんてことしてくれたのよ!!」

顔を真っ赤にしながらアイアイちゃんはブルブルくんたちを長い時間叱責します。

その形相が鬼のようだったことは、恐ろしくて誰の口からも言えませんでした…。

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