「トニー、おなかすかへんか?」
日曜日の15時、ちょうどおやつの時間だった。
「ブルーベリーの妖精」、ブルブルくんがベッドで寝転がっているボクに話しかける。
「何か食べる物がないか、探してみるよ」
「ちょっと待った!どうせなら、なんか作ってみーひんか」
「料理したことないよ」
「大丈夫や!何事も挑戦していかへんと成長せーへんで」
「……じゃあ、何作るの?」
「これなんてどうや!」
ブルブルくんが得意げにスマホを操作して写真を見せてきた。
「ピザ!?」
「そうや、材料は揃えといたで」
とブルブルくんが言うのでキッチンに行くと、小麦粉などピザを作るのに必要な材料が揃っていた。
「いつの間に……」
「今日は、ブルーベリーのピザを作ってみーひんか?」
「ブルーベリーのピザなんて見たことないし、食べたこともないよ!」
「作ってみーひんとわからへんやろ?ボクは美味しいと確信しているんや。とりあえず作ってみようや!」
まずは生地づくり。
「合っているのかな?」と不安だったが、ブルブルくんは楽しそうに飛び跳ねながら生地をこねていた。
「じゃあピザ職人みたいに生地を大きく丸めていこか〜」
「え、あのくるくる回すやつ?絶対できないよ……」
「僕に任せといて!」
すると、そばにおいていたブルーベリーの果実が小さいブルブルくんになっって突然動きだした。
そして、全員で生地を持ち上げ空中に放り投げくるくると回しはじめた。
「ほら、すごいやろ〜トニー!」
「仲間みんなで力を合わせたら、できへんと思うこともできるんやで〜」
「うわー、すごいよブルブルくん!」
役目を終えた小さなブルブルくんたちは元の姿のブルーベリーに戻り、ピザの生地の上に乗っていった。
最後にチーズをたくさんかけ、オーブンへ。
良い色に焼き上がったところで取り出した。
「初めて作ったにしては上出来や!」
ブルブルくんと初めて一緒に作って食べたピザはとっても美味しかった。
ブルブルくんのショートストーリー集ができました!
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