ある春の暖かい日、ブルブルくんとアイアイちゃんは仲良く森で散歩をしていました。
「あ、アイアイちゃん見て!たんぽぽの綿毛や」
そう言って、ブルブルくんは辺り一面にあるたんぽぽの綿毛に感動し、1本摘んでアイアイちゃんに渡しました。
「もうたんぽぽが綿毛になったのね。早いわね〜」
そういって、ふーっと息を吹きかけ、綿毛は空へ舞い上がっていきました。
ブルブルくんとアイアイちゃんは綿毛をたくさんとっていっぱい吹きかけていきました。
しばらくすると綿毛が、ある1箇所に集まっていることに気がつきました。
どんどんそれが大きくなっていったのです。
ブルブルくんが恐る恐る見に行くと、なんと紫々丸くんに綿毛がくっついてしまっていたのです。
「びっくりした!紫々丸くんやん」
「やあ、ブルブルくん。そうなんだよ、さっきから綿毛がぼくの毛にたくさんついてきちゃって……。紫色の毛が白くなっちゃった(笑)」
「紫々丸くんのhappyウールが大変なことになっとる!とったるわ」
しかし、毛にからまって、なかなかとれません。
「しゃーない、そしたら踊るしかないな。紫々丸くん、ボクに合わせて踊ってくれ」
「え、踊るの〜!?」
しぶしぶ紫々丸くんは了承し、ブルブルくんに合わせてダンスをします。
すると、綿毛は紫々丸くんの毛から離れていき、どんどん空に向かって飛んでいきました。
「たくさんの花を咲かせてや〜」
ブルブルくんたちは手を振って綿毛を見送ります。
翌年、ある荒れ果てた地域でなぜか美しいたんぽぽの花がたくさん咲き、街が復興したそうです。
もしかしたら、このたんぽぽは……。
あの綿毛は紫々丸くんのhappyウールのおかげで幸せも運んでしまったのかもしれませんね。
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