森の中を爽やかな風が吹き抜けます。
ぽかぽか陽気のなか、ブルブルくん、カタグリくん、紫々丸くんは芝生の上に仲良く寝転がりながら、青い空をぼんやり眺めている。
青い空には、雲がたくさん浮かんでいます。
「ほら!あれ見て!あの雲の形、何かに似てへん?」
「うーん、なんか…鳥みたい?」
「本当だ!オイラも鳥に見えてきたゾ」
「おっ!あの雲はソフトクリームに見えるゾ!!」カタグリくんは雲を指さしながら大興奮。
「さすが、カタグリくんやな」
「本当だね。カタグリくん、雲はどんなに頑張っても食べられないよ」紫々丸くんが言っても、カタグリくんは聞いていないようだ。
「うわぁ!!なんだか、だんだんと雲が綿菓子に見えてきたよ」ぐぅぅ~
カタグリくんのお腹が鳴ります。
「オイラ、お腹減った~。綿菓子が食べたいゾ…」
カタグリくんはそう言って辺りを見渡し、何かに気付きます。
「あ~ん」
カタグリくんは紫々丸くんに向かって大きな口を開けています。
「カタグリくん!それは綿菓子じゃなくて紫々丸くんだよ」 聞く耳を持たないカタグリくんは紫々丸くんに噛みつきます。
「紫々丸くん大丈夫?」
「うん、平気だよ。happy ウールに包まれているからね」
「ハムハム。あれ?全然甘くない」
「カタグリくん…!?」
振り返ると激怒しているブルブルくんが。
「ひぇぇ!ご、ごめんなさい」
今までアイアイちゃんだけが怖いと思っていたが、実はブルブルくんも怒ると怖いことが発覚した日だった。
カタグリくんはその日以来、空を見上げる度にブルブルくんの怒った顔が浮かんでくるらしい。
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