秋が訪れ、木々も赤色や黄色に色づいています。
「もうすっかり秋やな!春になったら森一面、桜色になってきれいやけど、秋はまた違ったきれいさがあるな~」
「そうね!」
ブルブルくんとアイアイちゃんは紅葉を楽しみながら森の中を歩いています。
すると、
「ブルブルくん!あれは何?」
アイアイちゃんが指差す方向には黒い煙が。
「あれは…火事!?これは大変や!!とにかく急いで火を消さな、森が燃えてしまう!」
ブルブルくんとアイアイちゃんはバケツいっぱいに川の水を汲み、急いでその場所へと向かいます。
「ハァハァ…」
二人は息を切らしながら、黒い煙が上がっている場所に辿り着き、懸命に水をかけます。
「早く気づいてよかったね!」
「ほんまやで」
黒い煙は消えて、二人は胸を撫で下ろします。
「水をかけたのは誰だー!」
ドスドスと大きな足音ともに、誰かがこっちに向かって走ってきます。
なんと、鬼のような顔をして走ってきたのは、カタグリくん。
「あれ?もしかしてブルブルくんとアイアイちゃんが水をかけたの!?」
「水をかけたの?とちゃうわ!カタグリくん、火で遊んだら危ないやん。ボクたちの森が無くなったらどないするん?」
「え、オイラ火で遊んだりしてないゾ」
「どういうことや?さっきまで黒い煙が上がってたんや」
ブルブルくんとアイアイちゃんは体を傾げます。
「あー!それはオイラが芋を焼いていたからだよ」
「芋…?」
「そう、オイラどうしても焼き芋が食べたくなったから、落ち葉集めて芋を焼いてたんだゾ」
食いしん坊すぎるカタグリくんに、ただ呆れるしかないブルブルくんたち。
「もう一度焼くけど、ブルブルくんたちも食べる?」
「…ええわ」
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