迷子のトナカイくん

作者:池邨 麻衣

「今日もいい天気やな」

ブルブルくんは日向ぼっこを楽しんでいた。

「ん?あのトナカイくんどうしたんやろか?」

1頭のトナカイが同じところをウロチョロしている姿が視界に入って気になった。

「トナカイくん、どうしたんや?」

「あ、迷子になってしまって・・・」

「あの大きなもみの木のところまで行きたいんだけど、何故か同じところに戻ってきちゃって困ってたんだ」

「君、方向音痴なんやな!ボクに任せとき~!」

ブルブルくんはそういうとトナカイくんの背中に乗り、道案内を始めた。

「次の木を右に~」

「あの花畑を超えたら・・・目的地に到着や!」

「お疲れさん!無事に着けてよかったな!」

「ブルブルくん、ありがとう!」

道案内をしながら、ブルブルくんとトナカイくんは意気投合し、仲良くなった。

ブルブルくんはトナカイくんに「ほな、またな!」と言ってその日はわかれた。

ある日、ブルブルくんは夜中に目が覚めた。

寝ぼけながら目を開くと、人影が見えた。

「あれ?君は・・・」

ブルブルくんの視線の先には迷子になっていたトナカイくんと赤い服を来た人がそっとブルブルくんの家から出ていこうとしていたのだ。

不思議に思いながら枕元を見てみると、クリスマスプレゼントともみの木の枝が置いてあったとさ。

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