北欧の森で芽生えた友情

作者:正田 由香里

北欧の深い森の奥、北欧の野生種ブルーベリー「ビルベリー」が群生する村がありました。そこには、ブルーベリーの妖精「ブルブルくん」が暮らしていました。ある日、ブルブルくんはいつものようにアイアイちゃんや紫々丸くん、カタグリくんと遊んでいると森に迷い込んだ見知らぬ声が聞こえてきました。

「ワンワン!」と元気よく吠える声に導かれてブルブルくんたちが向かうと、そこには雪に埋もれた子犬がいたのです。

アイアイちゃんは、「なんでこんなところに子犬が!」と驚きました。

ブルブルくんは驚きながらも急いでその子犬を救い出しました。「大丈夫?」と声をかけると、子犬は嬉しそうに尻尾を振りながら「ワンワン!」と答えました。

紫々丸くんが、

「どうやら人間の村から出てきたのかもね・・・。道に迷ったのかな」と呟くと、カタグリくんが「それやったら人間の村に返すばい」と子犬を連れて歩き出しました。

ブルブルくんたちは、人間の村の入り口に着き、子犬を手放そうとしましたが、その子犬はブルブルくんのところに戻ってきてしまいました。

「どうやらブルブルくんのことが気に入ったみたいだね」と紫々丸くんが言いました。

「ボクと一緒に暮らすか?」

すると子犬は「ワンワン!」と嬉しそうに応えました。

アイアイちゃんは「名前をつけてあげましょうよ」と言い、みんなで名前を考えました。

するとブルブルくんが「ボクのアントシアニンパワーからもらって『アントン』はどうやろう」

「「「いい名前〜」」」
「ワンワン!」

みんな一同に賛成しました。

それ以来、ブルブルくんとアントンくんはいつも一緒。ブルブルくんが森を巡回すれば、アントンくんが元気に先導し、時にはドジを踏んでブルブルくんを笑わせました。

北欧の森で芽生えたこの友情は、誰もが笑顔になれる特別な物語を刻んでいくのでした。

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