森の写生大会、やっぱり優勝は…

作者:正田 由香里

北欧の森の朝、青々とした苔や小さな花々が霧に包まれ、ひんやりとした空気に満たされていました。

ブルブルくんは、写生大会に参加するために、大好きな仲間たちと一緒に集まりました。

アイアイちゃんは明るい笑顔で「今日は私の一番いい絵を描くんだから!」と意気込んでいます。

紫色のもじゃもじゃ毛を持つ紫々丸くんは自分のイーゼルを丁寧にセットし、どんな角度で描くかじっくりと考えています。一方、食いしん坊のカタグリくんは、森の奥で見つけた不思議なキノコに夢中で、すぐに描き始めようとはしていません。

森には小鳥たちのさえずりが響き、太陽の光が木々の間から差し込み、きらきらと輝いています。ブルブルくんも画板を持ち、深呼吸をしながら森の一部を切り取るように見つめ、筆を走らせ始めました。アイアイちゃんは柔らかな色彩で木々の美しさを表現し、紫々丸くんは葉の一枚一枚まで細かく描き込むことに集中しています。

一方、カタグリくんはようやくカラフルなキノコの絵を描き始め、楽しそうに「こんなの見たことないやろ!」と他の仲間たちに見せて回ります。

皆が思い思いに森の美しさを絵に留め、互いに見せ合いながら笑い合いました。

そして、最後にブルブルくんが描いた絵を見せると、みんな驚きました。

ブルブルくんの絵には、美しい森の風景に加えて、仲間たちが一生懸命に絵を描く姿が描かれていたのです。アイアイちゃんの真剣な顔、紫々丸くんの集中した表情、カタグリくんのキノコ探しに夢中な姿…みんなの個性が見事に表現されていました。

「ブルブルくんの絵が一番素敵だね!」とみんな口をそろえて言い、結局ブルブルくんが優勝することに。

照れくさそうに笑うブルブルくんの顔に、温かな朝の光が差し込んでいました。

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