2 アウト満塁のピンチに

作者:藤井 恭介

ここは北欧の森スタジアム。

ブルブルくんとカタグリくんが、野球の試合を行っています。

たくさんの森の仲間が見守る中、試合は 9 回裏 2 アウト満塁という一打逆転のクライマックスの場面!

バッターボックスには、どんぐりの形をした大~きなバットを構えるカタグリくん。

「森の向こう側まで届くようなホームランを打ってやるばい!」そういって、ブオン!ブオン!と素振りをします。

ピッチャーのブルブルくんはというと、試合開始からずっと投げ続けていたため、ちょっと疲れ気味。

3 球を投げるも、全てボール球。全く球威がありません。 もう自慢の大きな目もぐるぐると渦を巻いてフラフラ状態。

すかさずキャッチャーの紫々丸くんがタイムをかけ、マウンドに駆け寄ります。

「がんばって~ブルブルくん!こんな時こそアントシアニンパワーよ~!」

スタンドのアイアイちゃんから声援を受け取ると、ブルブルくんはハッとします。

「そうや!ええこと思いついた!紫々丸くん、ボクが投げた後にアントシアニンパワーでボールに勢いをつけるから、しっかりキャッチ頼んだで」

「なるほど。大丈夫だよブルブルくん!思い切って投げてきてくれ」

「いくぞ~カタグリくん。ボクのスーパーボールを受けてみろ!」

大きく振りかぶって投げたボールは、ゆっくりと紫々丸くんのキャッチャーミットに向かいます。

「ど真ん中!これは打つしかないばい!」

「そうはさせるか!アントシアニンパワー!!」

「うわあぁぁ~」

「どうだ!」

と、顔を上げたブルブルくんの前には、アントシアニンパワーでバックネットに吹き飛んだ皆の姿が。

「これって、いったい試合はどうなるんだろう・・」

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